田舎町に住む橘直哉は、運動や勉学に打ち込むことなく、惰性で生きる普通の高校生だった。
ある日、死んだ祖母が好きだった流星群が見られるという話を聞き、近くの神社に流星群観測に向かった。あまり期待していなかった流星観測だったが、実際に見ると無数に流れる星の雨は、非常に幻想的であり、この世のものではないような感動的な光景が広がっていた。
そんな中、直哉はふと空を駆ける流れ星を見て、せっかくなので、流れ星に願い事をしようと思い立つ。
しばらく悩み願った願いは、「彼女が欲しい」。
流星群観測前に出会った友人が、彼女を連れて幸せそうにしていたのを見て願った、その場の思い付きの願いごとだった。
そんな気持ち半分の願いは叶い、橘 麗亜という一人の少女がこの世に生まれる。
しかし、星にかけられた願いから生まれた麗亜が存在できる期間は1年間の365日のみ。
自分をくだらない願いによって生み出した直哉を恨む麗亜と、出会った当初から敵対心を見せる麗亜にうんざりする直哉。
理解し合うことはできないと考えていた二人だったが、共に生活する中で、少しずつ時間をかけ互いを理解しあっていく。
何者にもなれずにいた少年と、何者にもなれない少女が紡ぐ1年間の物語。
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