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イエズラとシュタイナーは無言でにらみあっていた。
イエズラは言う。
(おもしろい、シュタイナーよ、お前を
倒して魔界女王に引導を渡してくれよ
うぞ)
シュタイナー
(そう簡単に行くかな、呪いの人形よ、
魔界女王の命は渡さぬ、来るがいい)
シュタイナーも応戦する。
ざんげきの打ちあいが10合続いた。
お互いに互角の戦いだった。
イエズラは言う。
(ほう、なかなかやるではないか、シュ
タイナーよ、ならばこれでどうだ)
そうイエズラは言うと魔物を召喚する
呪文を唱えた。
イエズラの頭上の空間がネジ曲がりそ
こから死神が姿を表した。
死神の狙いはベッドで寝ているカオル
だった。
死神がカオルを襲おうとすると、シュ
タイナーはカオルを守るため身をひる
がえした、しかし、イエズラはシュタ
イナーを逃がさない。
イエズラ
(させぬは)
イエズラはシュタイナーにざんげきあびせる。
シュタイナーは七色の光でざんげきを
かろうじて弾き返した。
そうしているうちに、死神がカオルに
近づいた。
死神がカオルを襲おうとすると、カオ
ルは目を覚まし、驚きながら叫ぶ。
思わず右手で力を使う。
すると死神は吹き飛んだ。
(グエー)
カオルの悲鳴を聞いたトシキは急いで
カオルの部屋のドアを開ける。
部屋のなかは阿鼻狂乱の世界だった。
トシキは驚きながら叫ぶ。
(カオル)
カオルは全速力でトシキのそばまで来
ると、胸に抱きついた。
シュタイナーは大声で言う。
(少年よ、カオルを連れて今すぐ逃げろ)
イエズラは笑いながら言う。
(ハッ、ハッ、ハッ、どこまで逃げきれおおせるかな)
シュタイナーとイエズラは交戦していた。
暗い病院の中を走って出口まで逃げる。
そこで巡回している一人の看護婦と出会った。
2人を見た看護婦は怒りながら言う。
(あなたたち何をしてるんですか、何時
だと思っているの)
トシキとカオルは悲壮な顔をしながら言う。
トシキ
(そんなこと言ってる場合じゃあないんです、看護婦さん)
カオル
(化け物、化け物が来るんです、看護婦さんも早く逃げて)
2人の言葉に看護婦はあっけにとらわれ
ながら言った。
(あなたたち何をいってんの、とりあえ
ず2人ともナースステーシヨンに来なさい)
すると看護婦の頭上の空間がネジ曲が
りそこから死神が姿を表した。
看護婦が異変に気がつくと、死神の剣
が看護婦の心臓めがけて突き刺さっ
た。
(キャー)看護婦の悲鳴がこだました。
カオルは驚きながら看護婦を助けよう
とすると、トシキが腕をつかんで言
う。
トシキ
(カオル、あきらめろ、あの人はもうダメだ)
カオルは泣きながらトシキと出口の方
へ向かった。
きょうすけたちの車はまもなく病院に
到着するところだった。