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ゆうは本気でサーシャに恐怖を感じていた。

2人は黙りこくっているとサーシャの目

が怪しく光った。

(ゆうくん、今日はなんの日かな)

ゆう(さっ、さあわかんないな)

ゆうの額に冷や汗が流れた。

サーシャ

(んっ、ふっふっふっ、今日は宝くじの

抽選日だよ、ゆーくん)

ゆう

(そっ、そうなんだ、それで宝くじの抽

選どうなった)

サーシャ

(んっ、ふっふっふっ、驚かないで聞い

てよね、ゆーくーんー、見事にさ、見

事当選したよ、10億円)

ゆうはしばらくの間、放心状態が続いた。

(あっ、あーそうなんだ、なるほどすご

いね10億円、そうか、そうのんだ、夢

かこれは、まーそんなもんだけどね、所詮)

サーシャの目に殺気が走った。

(夢、今夢って行ったゆーくーんー)

ゆうは生唾を飲み込んだ。

サーシャはゆうに(ちょっと待ってて、

ゆーくん)

と言ってタンスのところに行き引き出

しから針を取り出した。

ゆっくりとゆうのところに戻る。

ゆうは心臓がドキドキしていた。

(なんだ、今日の夢は宝くじのホラーの

夢か、やれ、やれ、なんだか目覚めが悪いなー)

そう思っていると、狂気をはらんだサ

ーシャが戻ってくる。

サーシャ

(えへへ、ゆうくん、お待たせ、ちょっ

とさー、右手かして)

ゆうは本気で焦りまくった。

何故ならば出口をサーシャに塞がれて

いたからだ。

ゆう

(どっ、どーしてさー、やだよ、絶対やだ)

サーシャはなにも言わずいきなり走っ

て近づくと、すごい早さでゆうの右手

を引っ張りつかんだ。

ゆうは最悪を覚悟した。

サーシャ

(んっ、ふっふっふっ、まだお目覚めじ


ゃあないんだね、かわいそうなゆうく

ん、だけど大丈夫、僕がすぐに現実の

世界に誘ってあげるからさ)

と言うと、サーシャはゆうの手に針を指した。

ゆう

(うわー、痛い、痛いよサーシャって、

あれ)

ゆうはこの時初めて本当に宝くじが当

選したのかなと思った。手からは血が

滴り落ちていた。

サーシャは満足した。ゆうが苦しみな

がら現実の世界に戻ってきたことを確

認した。

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