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No.27 トップの資格

うちはあの絶望のクラス表を見てからというものの、ずっとうなだれていた。
覇気のないその状態で教室へと向かう。
そして一番後ろの窓から2列目の場所に着席。
ずっと「あ゛あーーーー」と言いながら。
周りのメンツは言いますと、
可愛さ最強主人公エリカはアメリアと同じクラスになれたことが嬉しかったのか、ずっとニコニコ。
ハイスペック王子フレイはアゼリアから離れようと巻き付いている腕をはがすのに必死。
特殊キャラで変人キャラのハオランは気になるのかエリカをじっと見つめる。
ルイは奇妙な声を出す義姉(うち)を心配しているようだった。
そして、なぜかうちの席の周りにみんな着席。

うちら、仲がいいんだな……。


「じゃねぇーよ!!」
「姉さんっ!! どうしたの!!」

勢いよく立ち上がったうちにルイは驚く。
不思議なくらい色々と進んでいく現実に最高にイライラしていた。

「なんで、お前たち、うちの周りに座ってんだよ。他の席もいっぱいあるだろっ!!」
「僕は姉さんといたいから」
「ルイはいい」
「僕もだよ。君面白そうだから」
「うちの何が、面白いってんだ?? フレイ」

隣に座るフレイはアゼリアの腕を引きはがしながら笑顔をこちらに向けてくる。
うちなんかよりその悪役王女と仲良く一緒に授業を受けてればいいじゃないか。

「私もです。アメリア様、聡明でいらっしゃるようですので」
「そんなのどこで分かんだ」
「……。僕はあなたと友人になりたい」
「意味が分からん。友人なんて、そこら辺の奴でいいだろ。なんで、うちなんだよ」

ぷんすかイラついていると、静まれとでも言っているようにチャイムが鳴った。

「姉さん、座って。授業始まるよ」

はぁと魂が抜けるようなため息をつく。
そして、四方八方視線を感じながら、この世界に来てからの初めての授業を受けた。

殺されたりしないよな、さすがに。
まだ、イベント(何も)起きていなんだから。



★★★★★★★★★★



あの嫌な教室でも授業を受けて迎えた昼休み。

「アメリア様、陛下がお呼びです」
「はぁ??」

うちは何とか関わりたくない死神たちを撒いて、食堂でルイとともに昼食をとっていた。
が……。

「なんで、国王のやつがここまで来てんの??」
「ええ、と、急用でして……」

フレイのパパにあたる国王が送ってきたであろう使いと話していると、青ざめた義弟の顔が目の中に入った。
気分が悪くなったのか??

「ルイ、どうしたんだ??」
「姉さんっ!! 陛下に呼ばれたんでしょ?! しかも、急用で!! 早く行って!! 早く!!」
「はぁ……」

うちは仕方なく昼食を途中にし、席を立つ。
そして、この学園の近くにあるウィンフィールド国の城へ使いとともに向かった。



★★★★★★★★★★



場所は移ってトッカータ王国の王城。
アメリアの姉達、次期女王ヒラリーと無口なメルンは王立図書館で本を読んでいた。

「やっぱ、図書館いいな」
「……ヒラリー、静かに。ここは図書館」
「ごめんなさい」

2人は一時本を黙って読んでいた。

「へぇっ!!」

メルンが変な声を出すまでは。

「メルン姉さん!! どうしたんだ!?」

メルンはある分厚い1冊の本を手にもっていた。
駆け寄ったヒラリーはメルンが持つ本の開いてあるページを見る。

「これは……??」

ヒラリーは唾を飲み込む。







「ここにバリア魔法を主魔法にするものについて書かれているの」

ヒラリーはメルンが指した部分を読む。
そのページに書かれてあった1文が目に入った。

「この魔法を主魔法を持つものは国王、あるいは女王にふさわしい……??」

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