秀長4
いよいよ家康が上洛した。これは軍師と宗矩の入念な打ち合わせがあったようだ。これに付いては秀長は絡んでいない。蝙蝠の報告では輿に乗った家康を宗矩と3百が騎馬で入城したと言うことだ。合わせて百ほどの服部が 侵入したようだ。これでは天井裏は危なくて入れない。
狐から秀長の控室の狗に繋ぎが入った。それで侍の格好で狐のいる部屋から床に潜った。隣は茶々が暮らしている部屋だ。今胡蝶が子供を3人連れて部屋に入っているようだ。
床から見ると胡蝶が巫女の姿で横になっている茶々に何か呪文をかけている。子供たちが飛び跳ねている。どうもお付きのものはすべて部屋から出されているようだ。何をしようとしているのだ。もうすっかり陽は暮れているようだ。胡蝶は急に茶々の肌着を脱がせ裸にして股を拡げる。
しばらくすると襖がゆっくりと開く。この顔は石田三成だ。最近は秀吉に買われている。後ろから秀吉が覗く。明らかに目を閉じていた茶々が目を開いた。妖力を感じる。だがここでは狗も手が出せない。
「こちらに」
これは茶々の声だ。
「いいのかや?」
「抱かれよ」
これは胡蝶の声だ。秀吉が袴を上げ出したものを胡蝶が咥える。修験者にはこのような技があるとは聞いていた。秀吉のものが反り返っている。押されるように茶々に被さる。
この話は秀長の耳に入れた。困ったと言う顔をして、
「内密にするのだ」
と言ったきりだ。
茶々が懐妊するのはずっと後だ。