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ルアのなが~~~~~~~~~~~~い友達 その2

 翌朝、いつものように夜明頃に起きだして、店で販売する弁当を作成するためにコンビニおもてなし本店のレジ奥にある厨房へ向かっていると、何やら店の裏の方から賑やかな声が聞こえて来ました。

 店の裏手では現在もビアガーデンが絶賛営業中でして、いつものメンバーであるイエロ・セーテン・ルアに加えて、4号店のララデンテさんらがいまだに酒盛りをしていたのですが、今日はその中にラミアのラテスさんまで加わっていました。
「いやぁ、このスアビールとタクラ酒ってどっちも美味しいわぁ。もう最高! あははぁ」
 と、へべれけ状態でケタケタ笑って居るラテスさん。

 ……どうやら、酒飲み娘共はですね、酒宴初参戦のラテスさんにも一切の容赦なくつぎ続けたようです。

 ちなみに、テンテンコウ♀はですね、すでにテンテンコウ♂に姿を変えて厨房へ移動していました。
 よく考えたら、これ、24時間寝てないんじゃないか? って思ったらですね、
「……女の子の時、男の子の僕は、寝てますから……」
 って、テンテンコウ♂が言いました。
 ん~? これって脳みその中が、♀の領域と♂の領域にわかれてて交互に活動しているからとかそういった感じなのかな?……正直かなり謎なんですけど、そこを突っ込んで聞いてみたらテンテンコウ本人も腕組みしながら悩んでいったものですから、この話はこれ以上突っ込まない事にしました。

 しかしあれですね。
 元いた僕の世界よりも温暖な気候のこの世界ですけど、朝夕は少し肌寒いと感じる事も多くなり始めました。
 現在本店と2号店でやってるビアガーデンもそろそろ終了かなぁ、と思うんですけど、どちらの店も客足はいまだに好調なもんですから、これは終了させるよりも代わりの物を考えた方がいいかな、と、思ったりしています、はい。


 で、その肌寒さもあって、店でおでんを初めてみたいなと思っています。
 レジ横に置くおでん保温機は店の奥に眠っていたのを引っ張り出して来ました。

 で、問題は具材です。

 やっぱ、おでんとなれば、ちくわやはんぺんといった練り物を加えたいとこなんですけど、ここガタコンベでは魚はほとんど手に入らないんですよね。
 例外として、ウルムナギっていう巨大な鰻もどきはわんさかとれるんですけど……どうもこのウルムナギが他の魚を餌にしているようなんですよねぇ……
 まぁ、とりあえずこれに関しては検討事項ということで、他に何か出来るかな、とあれこれ考えてみたところ、

 白菜もどきを市場で見つけていますので、これを使ったロールキャベツと、卵も手に入るのでゆで卵、それに、タテガミライオンの肉串とかなら、まぁなんとか出来るかなと思っているんですけど……こっから先が続かないんですよねぇ……やっぱり元の世界に存在しない素材を使ってゼロからあれこれ作り出していくのって、ホント大変です。

 大豆もどきも見つけてはいますので、今度豆腐に挑戦してみようかなとか、タテガミライオンの腸を使ってウインナーも出来ないかなとか思ったりはしているんですけど……まぁ、これらはおいおい挑戦してみようと思っています。

 
 厨房には、すでにバイトの魔王ビナスさんが出勤していて、あれこれ調理をやっています。
「店長さん、こっちは大丈夫ですから、つめる作業をお願いいたしますわ」
 キモノ風の姿に割烹着を着て調理をしているその姿は、まさにTHE・おかんなわけですけど、ちっちゃくてロリ顔で幼児体型なもんですから……なんと言いますか、アンバランスなんですよねぇ、ホント。

 で、ルアのところに遊びに来ているラテスさんが起きてたらこの作業を見学してもらおうと思っていたんですけど、改めて外に出てみたらですね、近くの木に蛇状態の下半身を巻きつけて完全に熟睡しちゃってたもんですから、まぁ今日はそっとしとこうかな、と思った訳です。
 明日まで滞在されるみたいですしね。

 そんなこんなで、僕は魔王ビナスさんにテンテンコウ♂、そしてお菓子作りのヤルメキスの4人でいつものように店で販売する商品の調理をすすめていきました。

◇◇

 店が開店する時間になりましたので、今日の僕は4号店の方へ移動していきました。
 スアの転移ドアがあるのであっと言う間に移動できるんですけど……この魔法って、よっぽどの魔法使いでないと使用出来ないそうなんですよね。
 そんな魔法を、スアはこともなげにやっちゃうもんですから、なんかその恩恵にあずかってるこっちの感覚が「魔法使いならこれくらい出来て当たり前なんだよね」みたいな感じに麻痺してきちゃってるわけです、はい。

 で、そんな転移ドアで移動していった4号店には、ダークエルフのクローコさん、燕人のツメバ、人熊のクマンコさん、そして元門の番人だった幽霊……じゃなくて、思念体のララデンテさんがすでに揃っていましたので、僕を加えた5人で今日も元気にお店を開店していきました。

 4号店は、温泉街の中にありますけど、地元の人々もけっこう利用していますので、お昼時はやっぱすごいわけです。
 そんな時にですね、最近はスアが魔法で作り出したアナザーボディがですね、いつの間にか店の中でお手伝いしてくれていたりします。
 スアによるとですね
「……最近ね、かなり離れていても出現させることが出来るようになった、よ」
 との事なんですけど、残念ながらですね、遠くでアナザーボディを出現させる場合は僕の側でないと無理なんだとか。
「……いつも、遠隔魔法で見てるからか、な?」
 って、スアは腕組みしながら考えこんでいたんですけど、僕的にはですね、アナザーボディが云々よりも、スアがポロっと言った

『いつも遠隔魔法で見てる』

 って一言の方が気になったんですけど……まぁ、やましい行為を一切する気はありませんので別にいいんですけど。

◇◇

 お昼時をかなり回りまして、4号店のかき入れ時もほぼ終了しましたので、僕は4号店をクローコさんに任せて本店へと戻りました。

 その足で厨房に向かうとですね


 ヤルメキスを前にして、その目が怖いラテスさん
 ラテスさんを前にして、震えあがっているヤルメキス

 なんか、そんなシチュエーションで固まっている2人の姿があったわけですよ……ってか、2人して一体何やってんの!? っておもったらですね。
「て、て、て、店長さんがおられませんでしたところにですね、こ、こ、こ、こちらのラテスさんがお見えになられましたものですから、わ、わ、わ、私めがお菓子づくりをお教えしようとしたのでごじゃりまするが……」
 そこまで言いながらもですね、ヤルメキスはダラダラ汗を流し続けています。

 ……ヤルメキスがなんて蛙の種族なのかわかりませんけど、もしガマガエルだったらいい油がとれるだろうなぁ、なんて不謹慎なことをちょっと思ったりしたわけです。

 で、そんなヤルメキスの向かいにいるラテスさんですけど
「いやぁ、ごめんなさいね。食べちゃう気はないんですけどぉ、なんか本能? そんなもんがですね、こう心の奥底から沸き上がってくるみたいになっちゃうんですよ、ヤルメキスちゃん、可愛いもんですから」
 そう言ってニッコリ笑うラテスさんなんですけど、その目がですね、常時の人族のそれはなくて、完全には虫類の目をしているもんですから、その目で見つめられてる僕もちょっゾクッとしちゃったわけです、はい。

 で、まぁ、ここでヤルメキスと交代した僕が、ラテスさんにお菓子作りを教えていきました。

 まずはヤルメキスの得意料理であるカップケーキ。

 で、これを僕が作ろうとするとですね
「て、て、て、店長さんのお手際は、勉強のためにもぜひ拝見したいでごじゃりまするぅ」
 そう言いながら、ヤルメキスがガタガタ震えながらも入って来ました。

 で、まぁ

 僕がラテスさんに教えているのを、その横でじっと見ていたヤルメキスなんですけど、一通りラテスさんにお教えして、試作品を完成させた時にはですね、ヤルメキスの足元には汗で水たまりが出来ていたわけです、はい。

 で、早速、ラテスさんが試作したカップケーキと、僕が試作したカップケーキ、それにヤルメキスが作った販売用のカップケーキを、僕・ラテスさん・ヤルメキスの3人で試食したんですけど
「んん!? ヤルメキスちゃんのもとっても美味しいんだけど、店長さんのは別次元ですね!?」
 そう言いながらラテスさん、大興奮状態で僕作成のカップケーキをバクバク食べていきます。
 途中
「あ~ん、こんなに食べてたら、また太っちゃうぅ」
 って悲鳴を上げてたんですけど、その間も手と口は一度も止まっていませんでした。

「や、や、や、やっぱり店長さんのカップケーキはオイシイでごじゃりまする」
 ヤルメキスもですね、満面に笑顔を浮かべながら僕の作ったカップケーキを食べています。
 ヤルメキスの場合、お菓子を作るのが好きなのは当然なんですけど、それと同じくらいお菓子を食べるのも好きなんですよね。
 僕も、こんなヤルメキスの笑顔を見るのが大好きなので、また今度何か作ってあげようと思っています。

 で、ラテスさんの試作品も、初めてにしてはかなりいい感じです。
 初挑戦でここまで出来ればばっちりでしょうってレベルの品になっていました。
 で、僕とヤルメキスが絶賛するとですね
「あぁ、私、店でパンを焼いているもんですから、そのおかげかもしれませんね」
 そう言いながら、照れ笑いしきりのラテスさんだったわけです、はい。

 ラテスさんは、僕がお教えしている時も一生懸命メモをとっていたんですけど
「よし、これでお店でもカップケーキが出来るかもしれない!」
 そう言いながら、そのメモを見直していました。

 明日もう1日あるので、今度はロールケーキに挑戦してもらおうかな、と思っています。

◇◇

 その日の夜。
 大きなベッドの上でですね、四本川状態で寝ていると、スアが僕ににじり寄ってきて
「……起きて、る?」
 そう聞いてきました。
 で、まだ寝てなかった僕がどうかしたの? と聞いて見るとですね、
「……胸が張る、の」
 そう言ってきました。

 そう言えば、スアはおっぱいの出がすごく悪かったもんですから、わざわざ粉ミルクを作りだしてですね、リョータに飲ませているんですけど……出が悪いとはいえ、吸われていなかったせいで、か、胸がはりまくって痛いくらいなんだとか。

……え?

 こ、これって、僕に吸えってこと?
 そう言う僕に、スアはコクンと頷きました。

 で、まぁ……上半身裸になったスアの……おっと、ここからは自主規制させていただきますよ。
 まぁ、おっぱい吸ってる最中にスアが変な声だすもんだから、それだけは終わらなかったとだけお伝えしておきます……次ぎは女の子がいいなぁ。

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