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反逆9

 弾正が京を制圧したが早くも信長は赤松を攻めた。赤松は京の兵を引き上げた。旅籠に京之助が戻ってきた。
「今回は力をお借りしました」
「いや、こちらこそだ。織田の代官は柳生で岐阜まで送った。今筒井は山城の盗られた出城を攻めている」
「今ならお咎めがないと?」
「京に兵を出すと言っておられたが私が止めた。弾正がどんな動きをするか。秀吉も推薦した立場もあるし、明智も手を回すだろう。ここは足場を固めることだと思ったのだ」
「柳生は徳川でしたね?」
「私も間に挟まれて辛いところだ。柳生にはもっと難しい相手も伊賀にいる」
「服部ですね?」
「圧倒的に服部の方が力が上だ。だが柳生はいつか服部を負かしたいと思っている。そういう意味では家康を前に最大のライバルだ。狗はどこに付く?」
「それ程の力はありません」
「しばらく京之助に力を貸していただければ?もちろん筒井から金が出ることになる」
「今度は何をしたら?」
 今度のことで狗も柳生を調べて見た。実際に柳生を動かしているのは柳生宗矩だ。京之助を動かしているのはこの宗矩だ。
「松永弾正は時代を歪める」
「どうして弾正が?」
「あれは化身だ。式神の猿と言う忍者を殺したね?」
「ええ、私の身代わりとして首を川に捨てました。弾正はまだ私が死んだと思っています」
「弾正を葬る」
「私にはそれほどの力はないですよ。見張ることくらいです」
「それで十分」
 これからは狐が使える。

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