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面接

 謹慎は続いている。その間に転職会社の大阪面接があった。若い会社で同年代の人事課長と面談をした。凄くフレンドリーな面接で、大阪でパスしたら東京の本社での役員面接ですと言っていた。私は今の検査ではなくファイナンスの営業を希望した。
 謹慎中はノートパソコンを鞄に入れて持ち歩いている。喫茶店に入ってコーヒを飲みながら2時間今までの調査結果を整理している。そこに検査部長からのメールが入ってきた。
「あのビデオで人事部はパワハラなしと判断した。それとあの5人のうち支店長は当時の次長で経理主任は経理を担当してた。頭取の部下だった。次長も代理も当時の営業担当だった。いわば腹心中の腹心だ。常務取締役支店長は派閥の座長を務めている。だが頭取の基盤は必ずしも安定していない」
とコメントが入っていた。
 今日は石田からいつもの来いよメールが入った。
 ドアを押すと石田が黒縁眼鏡をかけた女性と座っている。
「覚えてないか?」
「いや」
 ママは今日も今朝まで続いた激しい行為を忘れたような顔で見ている。
「クラスの委員長だった?」
「この町で司法書士をしています。同窓会をしてるのだけど参加してくれません?」
「あの頃の不良仲間は誰も参加してないんだ」
「それほど思い出もないしね」
 そう言えばホームルームでリエとの淫らな行為を彼女に詰められた。私の顔を見てぽろんがにやりと笑った。

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