6話
「やっぱりね!」
あることがバレた。
だが、美女平和美は後悔していなかった。
先日の廃墟ホテル。
入る前に和美が連絡を取っていたのは美平グループだった。
美平グループというのは一族のグループで身内である。
あのホテルは以前、経営が破綻して売りに出されていたので美平グループが買い取り。
どう開発するかはまだ決まっていない物件だった。
和美は広と付き合っている事を身内の誰にも話していない。
隠していたわけではないが、話す機会が無かった。
そもそもそういう話題にすらならない。
だがあの時グループの者に話してしまった。
もともと隠しているつもりも無かったので。
事情説明で普通に話していた。
美平グループでは交際相手を自分で決めることは珍しく。
和美の親も好き合って結婚したわけではなく身内でもっとも権力のある者によって決められていた。
父も母もそういうものと思っていたから驚いていたが特に反対の声は無かった。
今のグループでもっとも力を持っているのは祖父だったからでもあるが。
「おじい様に反対されるかしら?」
「反対はしないよ!」
「ただ、直接プレッシャーをかけたり!」
「間接的にプレッシャーをかけたりはするだろうね!」
「どんな手段も使ってくるから!」
「本人の口から辞退させる!」
「親の意見としては大変だからお勧めはしないけど!」
「一度、連れて来たら?」