修道院のイメージ
あれから1週間が経過した。
午前中の私の出張相談はおかげさまで行列が出来るぐらいの高評価を得ている。
私の意見が的を得ているみたいで相談者は満足げに帰っていく人が多かった。
その影響は午後の修道院での活動にも繋がって来て下さる方も多くなった。
初日に来た女性も翌日にはやって来て、彼の気持ちを聞いて無事に結婚の約束をしたらしい。
お礼を言われて凄く嬉しい気分になった。
その女性はそれからほぼ毎日来る様になり私と色々話をする様になった。
因みに女性は『エイミィ』と言い町の道具屋の娘だそうで、お父さんと二人で暮らしているそうだ。
「私、修道院てもっと厳しい所だと思っていたけど此処はそんな事無いよね。」
「此処は出来たばっかりだからまだルールが無い状態なのよ。これから人が来ればまた変わる可能性はあるわ。」
多分、エイミィのイメージは『規律があって厳しい所』なんだろう。
実際にそんな場所もある。
『デオラント修道院』がこの国で一番厳しい修道院として有名だ。
一度入ったら2度と出られず、男子禁制、外部との接触禁止、プライベートな会話も禁止、ルールを破ればペナルティーで食事抜きもある。
正に監獄と言っても過言では無い場所だ。
「一応、此処も『恋愛禁止』というルールがあるのよ。」
「それはキャロルが決めた事でしょう。」
「そうなんだけどね・・・・・・、まぁ貴族や王族との恋愛は絶対にゴメンだわ。面倒くさい物。」
「そうなの? 貴族の世界てきらびやかな雰囲気がするんだけど。」
「表向きはね、裏はスッゴいドロドロよ。他人を蹴落とす為に色々工作をしているから。」
まぁ私は身内に足を引っ張られたけどねっ!
「キャロルて貴族のお嬢様、ていう感じがしないよね。」
「そうかしら? 多分、今の私が素だと思うわよ。貴族の頃の私は無理もしていたから。今は色々解放されて楽で気持ち良いわよ。」
うん、貴族時代の私は色々無理をしていた。
だから、今は凄く楽で過ごさせてもらっている。
やっぱり無理はいけないわよね。