お金は大事です
中庭は1週間かけて草を刈って、何とか更地になった。
しかし、花壇はボロボロ、畑だった場所も土が悪い。
「肥料を与えて土を変えないとダメね。」
元々、土質は良いんだから、手を加えれば何とかなるだろう。
「肥料も買わなきゃいけないし・・・・・・、他にも修理をしなくてはいけないからやっぱり支援金は必要よね。なんで支援金が打ち切られたのかしら?」
裏で悪どい事でもやっていたのなら自業自得でしょうがないかもしれないけど、そういう資料は無かった。
「院長室を探した方が良いかもしれないわね。」
私は院長室に向かい資料を読み漁った。
王妃教育の一環として、国費の管理も勉強していたから多少はわかる。
「別に不正をしていた訳じゃないわね。」
院長の日記も改めて読んでみたが、そこで気になる部分を発見した。
『ハニスター公爵の嫌がらせが酷くなっている。』という文だ。
「ハニスター公爵といえば、確かこの近くを治めている公爵よね? その方と修道院は関係が悪かったのかしら?」
これは会って話してみないといけない。
それから念の為に国王様達に手紙を出した方が良いかもしれない。
支援金は国費から出ていて、簡単に言えば国民のお金だ。
私は王妃様から『国を支えているのは庶民であり、私達は庶民の支えがあって生きているのです。大抵の貴族はそこを勘違いしていますが、そういう輩はいずれ手痛い目に会います。謙虚な心を忘れてはいけません。』と言われた事がある。
残念ながら元実家は忘れてしまったみたいだけど国王様達が絞めてくれるのを期待しよう。
私は手紙を2通書いた。
1枚は国王様達に現状とこの修道院への支援金に関する調査の依頼。
もう1枚はハニスター家への挨拶と面会許可の依頼。
この2通の手紙を修道院近くの村のポストに投函した。
読まれるかどうかはわからないがやらないよりはマシだと思う。