第3話:ドラゴンの食事
母さんが先程よりも強く、翼をはためかせた。それによって母さんが浮かんだ。‥‥‥
「うん? 何か言った?」
「何も言ってないよ」
ふと、下を見てみた。落ちたら確実に死ぬと思われる高度にまで達していた。修学旅行で飛行機に乗ったことはあるけど‥‥‥それよりこっちの方が怖い。‥‥‥開放的だからかな?
母さんが前に動き出した。そのスピードが速い。えー‥‥‥と、じーとかいうの?が、かか、る‥‥‥母さんに掴まること以外を考えたら振り落とされそうだ。あ、これ気絶し、そう‥‥‥。
「見えたわよ、あれが
『ドンッ!!』
「さぁ、着いたわよ。あれ?気絶しているわ‥‥‥早すぎたのかしら?」
『ゴンッ!!』
「いっ‥‥‥痛ってぇぇぇーーー!!」
いつの間にか着いていた。俺は自分の頭を撫でた。腫れてないかな‥‥‥?腫れてはないな、良かった~。
「だ、大丈夫!? ああ、どうしましょう。そうよ、こんな時は【治癒魔法】でーー『
母さんが俺の頭に手をかざして、何かを唱えた後、母さんの手ーー前足(?)ーーが光ったと思えば頭から痛みが引き体がポカポカしだした。凄く、暖かい‥‥‥。
「よ、良かったわぁ~。ちょっと待っててね」
母さんはそう言って後から合流した父さんと一緒に大きな猪を狩っていった。引っ掻いたり、噛み付いて噛みちぎったり、炎を吐いて燃やしたりなどなど、様々な方法で狩っていった。
す、スプラッター‥‥‥。しかし、その光景を見ても罪悪感を感じなかった‥‥‥これはドラゴンになった影響なのか?
暫くその光景を見ていたが、暇になってきたので欠伸が出た。ポカポカと気持ちの良い陽気が差している、寝たら気持ち、よさ、そうだぁ‥‥‥そういえば、母、さんは魔法(?)を使っ、ていたな‥‥‥眠た、いか、ら、ど、うでもい、いや。
「ぐぅぅぅー‥‥‥」
「戻ったわよ。‥‥‥あらら、眠っているわ。起きるまで待ちましょう」
うわぁぁぁ~‥‥‥んーよく寝た。ぐぅぅぅぅ‥‥‥お腹空いたなぁ~。
「起きたのね、お腹が空いたでしょう。
そう行って母さんは俺の前に大きな猪ーーハーデンボアって言うらしいーーを持って来た。流石に生で食べるのに抵抗はあったが、腹が減りすぎてどうでもよくなった。
「いただきまーす!!」
俺は勢いよくかぶりついた。ちょっと生臭いけど、イケる味だ。猪肉なんて初めて食べたけど‥‥‥意外と美味い。
俺は無我夢中で喰っていった。
無我夢中で喰っていると俺の10倍‥‥‥いや、それ以上の大きさはあるであろうハーデンボアを食べきった。それどころかまだ腹が減っている。むしろ、腹に物を入れたことによりさらに空腹になったようだ。
「まだ食べたいです」
俺が要望を口にすると、母さんは喜んでまた持ってきた。俺はそれを食べて食べて食べた。
だいたい、10体くらい食べたころにお腹が一杯になった。今、俺のお腹は風船の如く膨れている。
お腹が一杯になったら、また眠たくなってきた。
「あら、また眠たくなったのね。おやすみ」
俺はその言葉を聞きながら眠りに落ちた。