第2話:新婚?
ふわぁぁぁああー‥‥‥久しぶりに長く寝たな。それと、随分変な夢を見たなぁ~。俺がドラゴンになるなんてあるわけないのになぁ~。
「ネルムよ、起きたか?」
‥‥‥前言撤回、やっぱり夢じゃなかった。
「父さん、起きたよ」
俺は父ドラゴンに返事をした。それと‥‥‥ここは何処だ。洞窟っぽいけど‥‥‥昨日(?)、気絶した時は森(?)にいたから‥‥‥もしかして、運ばれた?
‥‥‥考えても意味がないから考えるのを止めよう。
俺は洞窟の外に出た。洞窟の外には幻想的な光景が広がっていた‥‥‥。様々な色の玉をその身に纏っている木々が辺り一面に生えている。
グゥゥゥゥ~。‥‥‥随分と情けない音が響いた。これは‥‥‥俺の腹の虫が鳴いている。
「あらあら、お腹が空いたのね。では、食事にしましょう」
母ドラゴンがそう言った。俺は(今世の)母とはいえ、女の人にお腹が鳴る音を聞かれて恥ずかしかった‥‥‥。
母ドラゴンーー母さんが純白の翼を広げた。多分、飛ぶのだろう。そう思って眺めていたが突然、体を掴まれた。
俺はビックリしたのと恐怖で体をじたばたと動かし暴れた。‥‥‥想像してみろ、いきなり体が浮く恐怖を。暴れずにいることは無理であろう。
「これ、暴れるでない。サーシャの背に乗せられないだろう」
ふと後ろを見ると、俺を掴んでいたのは父ドラゴンーー父さんだった。
「父さん、いきなり掴まないでよ。怖かったんだから」
俺は文句を口にした。冗談抜きで怖かったからだ。
「すまぬ‥‥‥一声掛けるべきだったか?」
父さんは謝った後、俺を
俺が母さんの背に乗せられた後、母さんが翼を勢い良くはためかせた。翼をはためかせた余波で風が生まれ、俺は吹き飛ばされそうになり母さんの背中にある鱗を掴んだ。‥‥‥鱗だから掴むところがあまりないけど無いよりはマシだ。
「しっかり掴まっているのよ」
「もう少し早く言ってくれよ、母さん。危うく吹き飛ばされそうになったんだから」
俺は母さんにも文句を言った。‥‥‥さっきから文句を言ってばかりだな、俺。
「ごめんね、私達は子を育てたことはないの。だから分からないことが多いのよ」
‥‥‥新婚かな?