第15話:箝口令
俺は重苦しい雰囲気に耐えながら聞いた。
「どうやってステータスを見せますか‥‥‥?」
「『ステータスオープン』と唱えれば良い」
おれはいわれた通り、『ステータスオープン』と唱えた。えっ?スキルを隠すのはどうしたかって?はは‥‥‥もう、隠すのは諦めたよ。どうにでもなれー‥‥‥。
「こ、これは‥‥‥」
ほら、やっぱり驚いている。
「シズナ‥‥‥このステータスを他人に見せることは勿論、言うことも禁じる。良いな。」
あれ?そこまでひどいの?
「まさ‥‥‥シズナ‥‥‥
父さんは一人でブツブツと喋っていた。断片的にだが聴こえる内容からして俺は狙われるらしい。狙われるくらいなら普通のスキルを貰えるようにすれば良かった‥‥‥過ぎたことは仕方ないけど。
「私はラートリア公爵家当主として、今この場に居る全ての者に
「「「ハッ!!」」」
父さんが『箝口令を敷く』と言うと、皆が平伏した‥‥‥なんで?
そして、重苦しい雰囲気のままパーティーが終わった。
自分の部屋に戻った後、俺はレマに『箝口令』の意味を聞いた。気になっているのを放置するのはモヤモヤする。モヤモヤを解消したいがために俺はレマに『箝口令』の意味を聞いた。
レマ曰く、『他人に話すことを禁じる命令』だそうだ。あと、こんなことも教えてもらった。
「ここだけの話、もし他人に言ったことがバレると酷いことをされて処刑されるそうですよ‥‥‥あ、処刑というのは殺すことです。シズナ様も他人に言わないようにしましょう」
俺はこの話を聞いている時、『そんなわけない』と思っていたがふと、レマの顔を見ると実際に目撃したかのように青ざめ恐怖していた。俺はその表情を見て嘘ではないと思うほどにレマを信用している。元々、他人に自分の情報を教えてPKされるなんてまっぴらだから教える気はさらさら無い。