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愛のお葬式のときに先生が言った。
「さぁ、笑顔を見せてあげて……
そうしないと愛ちゃん、天国で笑えないでしょ?」
泣いている瞳に言った。
違うんだよ。
死ぬってことは、笑ったり泣いたりすることが出来ないってことなんだよ。
だから、愛は怒ったり悲しんだりすることも出来ない。
何もできなくなっちゃうってことなんだよ。
もう、あんな悲しみなんて味わいたくない……
「お兄ちゃん。
泣かないで……」
僕は、泣いてなんかいない。
「もうすぐ……
もうすぐで、悲しいことの全てを忘れることが出来るから……」
「悲しいこと?」
「もう、私はどこにもいかないよ。
もう、死んだりしないから」
「本当に死なない?」
「うん」
「もしも、約束破ったら……」
「大丈夫だよ。
だって、ここはえいえんのせかいなんだから……」