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ピピピピ…
体温計から音がなる。
僕は、脇から体温計を取ると表示されている数字を読む。
「34.5」
「低!」
瞳は、驚いて僕の額に自分のおでこを当てた。
「冷たいね。
真白のおでこ冷たいよぅ」
「そう……?」
「うん」
「熱さましの薬はあるけど……
熱をあげる薬はないんだよね」
「寝てくるよ」
「あ、うん。
暖かくして寝るんだよ?」
「わかった」
「なんなら、また添い寝してあげようか?」
「あはは」
僕は笑って誤魔化した。
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ?」
「そんなんじゃないよ」
僕は、そう言って笑うと自分の部屋に戻った。