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 そう、僕は毎日泣いていた。
 何が悲しいのか。
 何がつらいのか。
 わからなかった。

 それでも泣いていた。
 いや、わからないからこそ泣いていたんだ。

「そう言えば、瞳はどうして孤児院に?」

「私はね、コインロッカーに捨てられていたらしいの。
 だから、孤児院の先生がお父さんだったし。
 お母さんだったんだ」

「そっか……」

「そのときはさ。
 私が一番下でさ、私より誕生日が遅い真白が来たとき嬉しかったんだ。
 『あ~、自分にも弟が出来たんだ』って……」

「そうだったんだ?」

「あのころは、楽しかったね」

「うん」

「お母さんに感謝しなきゃね。
 私たちふたりを同時に引き取ってくれたんだから」

「女手ひとつで、すごいよね」

「うん!
 凄い!凄いよね!」

「帰ってきたら、親孝行しようね」

「うん!
 そうだね」

 僕は小さくうなずいた。

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