189
「じゃ、歌うよー」
僕のそれを合図に僕と瞳は手をつなぎ一緒に歌った。
「はっぴばーすでぃとぅゆー
はっぴばーすでぃとぅゆー
はっぴばーすでぃとぅゆーはまぁなー
はっぴばーすでぃとぅゆー」
「愛おめでとぉー」
僕と瞳は声を合わせてぱちぱちと手を叩いた。
「ありがとー」
僕と瞳は、買ったばかりのケーキを口に含んだ。
だけど、愛は見ているだけ……
「愛は、ケーキ食べないの?」
僕の言葉に瞳が言葉を続ける。
「モンブラン嫌いだった?」
愛は、静かに首を横に振る。
「うんん。
お腹、いっぱいなんだー」
「そっかぁ。
じゃ、冷蔵庫の中に入れとくね」
瞳は、愛の分のケーキを冷蔵庫の中に入れようとした。
「あ、よかったらお兄ちゃん食べていいよ」
「え?」
「私、実は今日退院出来るんだー」
「何?そうなのか?」
「うん!」
愛は、嬉しそうに笑った。