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僕と瞳が、お小遣いを貯めて買った小さなケーキ。
僕たちは、それを持って愛が入院している病室に向かった。
愛の病室の前で僕は、瞳に言った。
「せーので、言うぞ?」
「うん。
愛、びっくりするかな?」
瞳の目がキラキラと輝いている。
「絶対、びっくりするって!」
きっと僕の目も輝いていたに違いない。
「ケーキ食べれるかな?」
「うーん。
昨日、手術して良くなったはずだから大丈夫だよ!」
「うん!
食べれなかったら、冷蔵庫の中に入れたらいっか!」
「そうだね!
瞳、やっぱ頭いいよ!」
「えへへ」
瞳が、照れている。
「じゃ、せーので行くぞ!」
「うん」
「せーの」
「愛、誕生日おめでとー」
俺たちは、愛の病室の扉を開いた。