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「ねぇ、水谷さん」
「なんでしょうか?」
「話、変わるけどさ……」
「はい」
「もしだよ?
3歳くらいのときの話なんだけど。
ものすごく仲の良かった女の子がいて。
その子が16歳の誕生日までに、恋人がいない場合迎えに行くって約束した女の子がいたとしてさ……
その子は、そんなときの約束を覚えているかな?」
「覚えてると思います」
「覚えているの……?」
「はい」
「でもさ、男の子には、他に好きな人が出来てしまったんだ……
だから、迎えにいけないとしたらどうするかな?」
「女の子は泣くと思います」
「泣くのか……」
「はい。
私だったら、その男の子に会いに行きます。
どうして、迎えに来なかったのかを確かめるために……」