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「あ、ありがとう」

「あ、冷めないうちに先に食べて下さいね」

 水谷さんは、そう言うけど。
 僕には、それが出来ない。
 待ってもいいよね?
 待つことが正解の人!
 投票数1000票で、多数決で待つになりましたー
 みさき先輩風に言ってみた。

 まぁ、待つことにした。

「先に食べてくれてもよかったのに……」

 水谷さんは、トンカツを油で揚げ終え、席に座ると呟いた。

「いや、ひとりで食べるよりふたりで食べた方が絶対に美味しいと思ってさ」

「そ、そうですか……
 ありがとうございます」

 水谷さんが、頬を赤らめて言った。

「じー」

 水谷さんは、こちらをじっと見つめている。
 僕は、ひとくち肉じゃがを口に放り込んだ。

「この肉じゃが美味しい!
 さすが水谷さん!、良いお嫁さんになれるよ!」

「その、肉じゃが……
 今朝、母が作ったやつです……」

「そ、そっか」

 僕は、トンカツを一切れ慌てて口に掘り込んだ。
 熱い……!
 そりゃ、熱いよね。
 揚げたてだもんね。

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