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誰かが僕の体を揺すっている。
「コラ、起きろ……」
僕が、ゆっくり体をあげると外は真っ暗になっていた。
「お前、今日は、学校に泊まる気か?」
担任が呆れた顔で、僕に言った。
「す、すみません」
「こんなこと言いたくないが……
お前、最近たるんでいないか?」
そう言えば、担任は、水谷さんのことを知っているんじゃないか?
この時間のこの場所。
今なら誰も聞いていない。
「先生」
「なんだ?」
「水谷さんが、妊娠したことがあるって本当ですか?」
担任は、眉を歪ませた。
「お前、どこでその話を……」
「昨日、鈴原って人から聞いたんです」
「そうか……」
「そのことと水谷さんが今日休んでいることは関係あるんですか?」
「今日、休んでいる理由は、風邪をひいたとしか聞いていない」
「そう……ですか……」
「お前、どこまで知っているのだ?」
僕は、昨日あったことをすべて話した。