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「小さい頃、僕と瞳は孤児院に居たんだ。
その時の夢かな……」
「そうですか……」
「ああ、俺と瞳が血の繋がりのない姉弟だって事は、前に言ったよね?」
「はい」
「だから、姉弟と言っても幼馴染に近いかも知れない」
「はい」
「その下に、同じような感じで妹が居たんだ」
「そうなんですか?」
「最近の夢には、その子が出るんだ」
「その子は今、どうしているんですか?」
「死んだ……」
「すみません……」
「いいよ……」
沈黙が訪れた。