68
中年おやぢの周りに群がるのは数億のモンスター。
しかし、おやぢは怯まない。
「おやおや。
私如きに、こんな大勢……」
「怯むな!
このおやぢを殺すだけで、ベルゼブブさまから報酬を得ることが出来るぞ!」
モンスター軍の将校がそういった。
「狙えば必中」
「あれを打たせるな!
さなければ――」
おやぢが変な体制で身体をうならせる。
すると数億いたモンスター軍の1/4が消える。
「怯むな弓兵、銃撃兵!遠距離から――」
「当たれば確殺」
するとモンスター軍たちが次々と消滅していく。
「ああああああああ」
モンスター軍の将校が絶叫する。
「おぢやビンゴビーム」
おやぢが、ニッコリと微笑むと。
全てのモンスター軍が灰となった。
「おやおや。
意外とあっさりでしたね」
彼の名前はおぢやビンゴ。
家族をベルゼブブに殺され……
復習のためだけに力を身に着けた男だ。
「ふふふふふふ」
若い男がそっと現れる。
「おや?まぁ?
貴方はた白銀さんじゃないですか」
おぢやビンゴがそういうと杖を白銀に向ける。
「さすがおぢやビンゴさん。
相変わらずの最強っぷりですね」
「さて?いつになったらベルゼブブさんに会わせてもらえるのやら……」
「さぁ。無理じゃないですか?」
「さて?どういう意味です?」
「だって貴方はここで――」
白銀がそこまで言ったとき。
おぢやビンゴが小さく笑う。
「私を殺すとでも?
まがい物の貴方が?」
「まがい物?」
白銀が首を傾げる。
「丹歌という少年をご存知ですか?」
おぢやビンゴが尋ねる。
「はははは!彼こそまがい物じゃないですか。
α-タイプAu。
亜金族といわれる不良品のひとつ。
研究所から処分されそうなところを清空さんに拾われ今まで生きてこれた……
でも、それもここまで!
この選別により彼は廃になったでしょう」
白銀が笑う。
「……みたいですが?
丹歌くん」
おぢやビンゴが、そういったとき丹歌がゆっくりと現れる。
「お前は誰だ?」
丹歌がゆっくりとした口調で白銀に尋ねる。
「僕は白銀ですよ?
師匠の存在を忘れたのですか?」
「違う!
白銀先生はそんなことを言わない」
「さぁ、丹歌くん。
暴れちゃいなさいな」
おぢやビンゴそういって近くにあった石の上に座った。