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 ジャキの意識が遠くなっていく。

「あー。涙のお別れにはさせないよ?」

 十三のその声とともにジャキの意識が戻ってくる。

「え?」

 女子大生が驚く。

「え?」

 ジャキも驚く。

「一応、僕さ。
 RPGいうところのヒーラーなんだけど?」

 十三がジャキの傷を回復させた。

「そ、そうだったの?」

 女子大生が驚く。

「うん」

「傷が痛くない」

 ジャキが腹部を押さえる。

「うん」

 十三がうなずく。

「とりあえず、質問。
 あのオークっぽいのは誰?」

 十三の質問にジャキがうなずく。

「あいつはガイルだ。
 なんか前に戦地でジルが拾ったんだ」

「そうなの?
 そのガイルって人……
 ものすごい力を感じたよ?」

「ああ、俺もそのことについてはわからん」

「とりあえず。
 曽呂勇姿学園に向かおう。
 色々報告しなくちゃだ……」

 十三がそういうとジルたちはうなずいた。

「やぁやぁ」

 すると青年の男性が声をかけてきた。

「誰?」

 十三の質問に男が答える。

「僕かい?
 僕の名は、橘 吾郎。
 しがないクレープ屋だよ」

「そのクレープ屋さんが何のよう?」

「ちと僕も曽呂勇姿学園に行く用事があるので。
 一緒に行かない?」

 吾郎の提案に十三がうなずく。

「いいよ」

「いいのか?」

 ジャキが驚く。

「まぁまぁその前に。はい!」

 吾郎が、女子大生の肩に手をトントンと触れると。
 女子大生の身体に真っ赤なドレスが着せられる。

「それがクレープ屋さんの能力?」

「そうだよ。
 エアーズポケットって言ってね物体を移動させる能力なのさ」

「それで楽々、学園に戻れるってこと?」

「そうだよ」

「クレープ屋さん有能だね」

「はは。ありがとう」

 吾郎が笑う。

 そして、ジャキの身体を飛ばした。
 続いて女子大生。
 十三、自分の順番で吾郎は学園に身体を飛ばした。

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