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刀と銃。
戦うだけなら銃のほうが強いだろう。
しかし。
覚悟を決めた刀と。
覚悟のない銃。
殺す気のある刀と。
殺す気のない銃。
それは刀が勝つことを証明していた。
「……」
ジャキの腹部にジルの刀が突き刺さる。
「さぁ、ジャキ!
命乞いをしろ!」
「クッソが!」
ジャキが、そういって小さく笑う。
「何がおかしい?」
ジルが尋ねる。
「別に……」
ジャキがそういうとジルは苛立つ。
「あばよ!」
ジルは、刀を抜いてジャキの身体を蹴飛ばした。
「……この女。
柔らかい」
ガイルが嬉しそうに女子大生の身体を弄んでいた。
女子大生は、死を覚悟した。
陵辱され続けるのなら舌を噛んで死のう。
そう思った。
「何しているの?」
十三が現れる。
「……ああん?
女を犯しているんだよ!
見てわかんないか?」
ジルがそういって十三の方を睨む。
「……ジャキくんをその刀で?」
「それがどうした?」
「……君に父上の血は流れてないようだね」
十三がそういうとジルの表情に怒りが満ち溢れる。
「お前、死にたいのか?」
「さぁ?」
十三が小さく笑う。
「……っち。
止めだ止め!」
ジルは、刀を鞘に収めて十三に背中を向ける。
「逃げるの?」
「……ククククク。
お告げさ……
さらなる力をくれるっていうから俺らはそこに向かう。
ガイル、もっといい女を紹介してやる。
その女はそこに捨てておけ」
ジルの言葉にガイルは、嬉しそうに笑う。
「……いい女。
もっと柔らかくて気持ちいい?」
ガイルの言葉にジルはうなずく。
「最高だぜ?
この世の全ての女を手に入れようぜ?」
「ああ……それはしあわせ」
ガイルは嬉しそうに笑うと女子大生の腹部を蹴り上げ十三にぶつけた。
「大丈夫?」
十三が、その女子大生に手を当てる。
女子大生の傷があっという間に回復した。
「……え?」
女子大生が静かに十三の方を見る。
「大丈夫だね?」
女子大生が、十三から走って離れた。
そして、ジャキのもとに駆け寄る。
「あの!」
女子大生がジャキに声を掛ける。
「傷、治ったようだな」
「でも、貴方は……」
女子大生が涙をボロボロと流す。
「はは……
しくじった」
ジャキが小さく笑う。
女子大生が、ジャキの手を握りしめる。
「私……私……」
女子大生がそういうとジャキが涙を拭う。
「……泣くなよ。
きれいな顔がもったいないぜ?」
ジャキはそういって笑った。
それは小さな小さな笑顔だった。