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「うん」
僕は、慌ててトーストを口の中に掘り込んだ。
「時間があるから、そんなに慌てて食べなくても……」
「待たせたら悪いから」
「真白って、変な所に律儀だね」
「そう?」
「うん」
僕は、朝食を済ませると歯を磨き家を出た。
「今日の弁当のおかずはなにかな?」
「それは、開けてのお楽しみ」
「なんだよそれ」
「あ、あれ……?
水谷さんじゃない?」
瞳が、指さす方に目をやると水谷が、歩いていた。
「ささ、話しかけてあげて下さいな」
瞳は、そう言うと僕の背中を押した。