第2回「ボゴスマァッシュ!」
「はっ!」
「おはよう、ナイトメアお兄ちゃん」
「なんてこった。夢オチだと思ったら現実だった。なんだよナイトメアお兄ちゃんって。なあ、我が妹よ」
「変なお兄ちゃん。ほら、朝ごはんの準備できてるよ」
むしゃしゃしゃしゃしゃしゃ!
「ごちそうさま」
「早い! お兄ちゃん、ちゃんと噛んで食べた?」
「すごい勢いで噛んだ。じゃあ、俺、学校行くわ」
「気をつけてね。お兄ちゃん、昨日もトラックに轢かれそうだったって聞いたよ」
「……大丈夫さ。俺はいざとなればシュインシュインだ」
スタタタタタタタ!
「あっという間に学校に着いた。便利なもんだ。擬音の力ですべてをすっとばせる。しかも、五秒後も先取りできるから、危機回避も万全だ。それでも、あの性悪な女神には勝てなかったからな。何とか一泡吹かせてやりたいが」
「転校生を紹介する。ムールナさんだ」
「来ちゃった」
「巨乳女神が無理してセーラー服着てる!」
「しばいたろか」
「さらに、リロさんだ」
「そこのナイトメアくんに乳首をこねられたので、結婚しに来ました」
「唐突なハーレム展開! 乳首をこねただけでモテ期が訪れるなんてとんだミラクル時空だな!」
ピピー!
「白水くん、貴方は最低の男子です! 私というものがありながら……乳首こねてください!」
「ぐうっ、まさか朝のホームルームから、こんな謎の修羅場になるなんて思ってなかったぜ。違うんだ、荒神さん。名前通りにいきなり荒ぶるのはやめてくれ」
「ふふ、さすがはナイトメアだ。女神、死神、暴走癖の三人を惚れさせるんだから、とんだビッグマンだぜ」
「誰だお前は!」
「俺はマイケル沢田。またの名をミカエル吉田」
「なぜ名字部分が変わった?」
「ムールナがまた要らんことをしたらしいからな。監視役として天界からやってきた」
「本当だよ。この巨乳のせいで、俺は名前まで変えられちまった」
むにゅぽにゅ。
「君は私のおっぱいを揉まなければ気が済まないのか?」
「俺がお前のおっぱいを揉まずに気が済むとでも?」
「ふふ……ナイトメア白水、傾いたやつだぜ!」
ボゴスマァッシュ!
「くそう、暴力女神め。いつかお前をギシアン言わせるまで、俺は諦めないからな」
「言わせるのはギャフンだと思うよ、白水くん」
「だが、あのムールナの胸を触れるだけでも大した奴だ。さすがはナイトメア白水。私の乳首についているべた惚れスイッチをオンにしただけのことはある」
「ふっ、男の俺もついヨダレが出ちまうぜ。カップリングするならマイケル攻めのナイトメア受けだな」
「こんなんで、学園生活はどうなっちまうんだよ」
しょぼぼぼーん……。