次の朝
時も過ぎて寝る時間になった。
雪はパパとママにお休みなさいと言ってから子犬を抱き上
げて二階に上がった。部屋のドアを開けて子犬を放す。
すると子犬は雪のベッドに飛び乗って布団の中に入った。
雪は笑いながらベッドに入る。子犬に「お休み」という
と、子犬は幸せそうな顔をして眠りについた。雪も疲れた
ので眠った。
やがて朝になった。
目覚まし時計がなる。
雪と子犬は目覚めた。
子犬は雪にじゃれつく
「おはよう、名無し君、おいで」
といって、子犬を抱きかかえた。
子犬は気持ちよさそうに静かに抱かれ ていた。
「くす、かわいいね、」といい子犬の 頭を優しくなでた。
一階から、カレーの美味しそうな匂い がした。
階段をゆっくり降りると、登と恵がい た。
二人は言う。
登
「おはよう雪」
恵
「よく眠れた」
雪は笑顔になって、言う。
「おはよう、パパ、ママ、朝はカレー だね」
雪がそういうと、登が真剣な顔で言う 。
「雪、大切な話がある、ちょと座りな さい」
雪は少し恐怖しながらイスに座った。
雪は尋ねた。
「なに、パパ、あらたまって」
雪は内心怖かったし、ドキドキした。 やはり、子犬は家で若えないといわれ るかもと思ったからだ。
登は子犬の顎を撫でながら言った。子 犬はごろごろという声をしながら、気 持ちよさそうにしていた。
登は言う。
「雪」
雪は唾を飲んだ
「なに」
登は言う。
「この子犬……」
「ん」
「名前な、ククトという名にぜひした いのだが」
大真面目で登は言った。
目が笑って いなかった。
それがある意味怖い表情 だった。
雪は、きょとん、とした顔をした。
「へ、・・・・・パパ、いきなり、何 言ってんの、ククト、なにそれ、へん だよ」と言った。
それを聴きながら食事の用意をしてい た、恵が大笑いをした。
恵は言う。
「実はね、朝、何を作ろうか迷ってい たら、パパが起きてきてね。今日は何 って
聞くからどーしよーと思っていたら、 パパがね、いきなりククワカレーがた べた
いっていってね・・・・・・」
登は顔を真っ赤にしていた。
恵がつつける。
「それでね、ククワカレー、ククワカ レーていっていたらそれをククトて言 っ
ちゃってね」
雪は呆れた顔で聞いていた。
「うん」
恵は言う。
「パパったら、あの子犬の名前をクク トにしょうって聞かないのよ。」
雪は言う。
「ぱぱ・・・・・・何でそんな変な名 前にするの、私、もっとかわいい名前 にし
たい」
雪は困り果てて言う。
「登は真面目中を押していった。
「雪、よく聞きなさい」
雪はうなずく。
登は一回大きな深呼吸をしてから言っ た。
「はっきしいって、私はククワカレー が大好きだ。だから間違ったとはいえ 、私
の一番大好きなククトにしよう」
登は興奮していた。
恵は笑っていたが、雪は「はー」とた め息を漏らした。
「なにそれ、もしかして、そのカレー が好きだから間違っていっちゃった名 前を
付けたいってこと」
登は子犬を抱きながら「うん、うん」 と頷いた。
登が言う。
雪は学校の支度を終え、出かけようと していた。
雪は言う。
「じゃぁ、パパ、ママククト、学校に 行ってくるね」
そう言うと、ククトが、寂しそうな顔 をしながら雪に早足で、近寄ってきた 。
尻尾を振りながら懸命に引き留めよう とする。
「クウーン、ワン、ワン、ワン」
雪はそんなククトの姿を見て愛おしく 思った。
雪は言う。
「ククト、おいで」
雪はククトを優しく抱いた。
ククトの顔は、心配に満ちていた。
「クウーン、ワン、ワン、ワン」
雪はククトの頭を優しくなでながら言 った。
「ククト、大丈夫、大丈夫、学校が終 わったら早く帰ってくるからね」
それでもククトは悲しい顔をした。思 わず雪の手をかむ
雪は驚きながら言った。
「こら、痛いなーククト、メ、手をか んじゃあだめ」
一瞬、ククトが反省したような顔をし た。
そんな姿を見ていた恵が、ククトを雪 から話して抱っこする。
恵は言う。
「ハーイ、ククト、今日は雪じゃなく て、私とお散歩するんでしょ、そんな 悲し
い顔をしてたら、雪が心配して、学校 にいけないじゃない、一緒に送ってあ げよ
うねー」
恵がやさしくそういうと、ククトは笑 顔になって鳴いた。
「ワン、ワン、ワン」
恵は笑顔で言う。
「じゃぁ、雪、何も心配しないで、行 ってらっしゃい、貴方もそろそろ会社 に行
く時間よ」
と、恵は後ろを振り返っていった。
登はゆっくりと支度をしていた。
登は言う。
「雪、行ってきなさい」
雪は心が温かくなった。
雪は言う。
「うん、じゃあ、行ってきます」
そういって、玄関に行き、靴を履いて ドアを開ける。
朝は寒かったが、心は温かかった。
学校に出かけると、後ろから声がした 。
「おはよう、雪」
雪の友達である、真由美がいた。