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「そうなると可哀想だから
ちゃんと守ってあげてね」
「誰が?」
「真白が……」
「どうして僕が……?」
「恋愛ゲームだと、フラグが立っているじゃん」
「現実とゲームは違うじゃん?」
「少女マンガでも、王道だよ?」
「少女マンガって……」
「某SNSのコミュでもあったよー
遅刻しそうで走る少女……
そして、曲がり角で男の人とぶつかるの。
ぶつかって少女は言うの。
『どこ見て歩いているのよ!』って……
でも、よく見るとぶつかった男の人はイケメンだったのー!」
瞳が、そう言って顔を赤らめはしゃぐ。
あーあー
瞳の妄想にスイッチが入った。
瞳は小説のSNSサイトにハマっている。
しかも、今は珍しいガラケーも対応しているサイトだ。
最近、瞳は、これにハマっているらしい……
「瞳ー
帰ってこーい」