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最後のチャンス 

ヌマはバルボワにちかずくとバルボワの髪の毛をつかんでいう。

(ンー、まだ生きてるかハイランダー、所詮人間の力

では我等の力にはおよばなかったな、終わりだ)

バルボワはボソッと言う。

(待っていたぞ、この瞬間を······エクスカリバー)

ヌマは驚いた。

(なっ······)

すると地面に落ちていたエクスカリバーが突如、

凄まじい回転をしてヌマめがけて宙に舞った。

ヌマは避けきれずに胸板を深く切り裂かれた。

ヌマは口から血をながしながら言う。

(きっ、貴様······はじめからこれを狙っていたな)

バルボワは言う。

(フンッ、お前も道ずれだ······)

と言って、笑った。

バルボワは死ぬことなど全く恐れてはいなかった。

ただ、バルボワはステーブンの言葉を思い出して少し悲しくなった。

最後に彼らに会いたかった。

まだ、ヌマも死んではいなかった。

(ハッ、ハッ、ハッ、見事だ、ハイランダー、まさか

私がやられるとはな······ハイランダーよ、お前も

私ももうすぐ死ぬな······)

バルボワは笑ながら言う。

(フンッ、そんなことが怖くてこんなことをやってら

れるか······)

ヌマは言う。

(フンッ、やせ我慢をいいをって·····だがハイラン

ダーよ、貴様と一緒に相討ちなど認めぬ、俺を倒した

褒美をやろう······)

と言うとヌマは最後の力を使った。

バルボワから剣が消えて、体が青白く光った。

すると、バルボワの絶望的な傷が癒されていく)

バルボワは驚きながらヌマに言った。

(なぜ······なぜ俺の命を助けた······)

ヌマは言う。

(フンッ、貴様などと相討ちなど認められるか、

だかな、ハイランダーよ、けっきよく勝つのは我等た

よく覚えておくがいい、よい、戦いだった······)

ヌマの体は透明になって消えていった。

バルボワはなぜか深い悲しみに教われた。

体の傷は完全に回復していた。

バルボワはエクスカリバーをとって言う。

(エクスカリバー·····なぜだろうな、ヤツはなんで

俺の命を救ったんだろう······)

エクスカリバー

(わからんな、しかし救われたな····)

と言った。

バルボワは目から涙を流していた。

バルボワはエクスカリバーの力を借りて空に舞った。

長い奈落の中をひたすら上に上昇していくと、崖に

たどり着いた。バルボワが降り立つと扉までゆっくり

と歩いていった。

扉を歩いていくと、膝をおって祈っているレイジエル

がいた。

バルボワはもとの世界に帰還した。

レイジエルはバルボワの姿を見ると泣きながらバルボワに言う。

(バルボワさん······終わりましたか······)

バルボワは悲しい顔をしながら言う。

(ええっ、終わりました······貴方が祈ってくれたお

陰でね······)

バルボワは胸のポケットからたばこを取り出して一本

吸った。

レイジエルは手で涙を拭きながら言う。

(バルボワさん、ダメですよ、ここは禁煙です。

でも、今日は見なかったことにしておきましょう)

と言って笑った。

バルボワも笑いながら言う。

(ありがとう、レイジエルさん)そういって寝ているサ

リーを見た。

すると、サリーを守っていたジョンソンの魂がヌマの

呪いから開放されていた。

ジョンソンはバルボワに言う。

(ありがとう、本当にありがとう、ローレンスバルボ

ワ、あんたのお陰で俺にかけられていた呪いも解け

た、サリーの命は救われたよ······)

と笑顔で感謝した。

バルボワ

(よかったですね、ジョンソンさん、貴方との約束は

はたせました······)

ジョンソンは言う。

(バルボワさん、みんなに伝えてくれ、

短い間だったけれど俺の人生は最高の人生だったと

サリーやジョアンナ、一生涯愛していると

ステーブン、あとはよろしく頼むと······)

バルボワ

(わかりました、伝えておきます······)

ジョンソン

(最後に······ハイランダー·····あんたは最高だ)

バルボワは(ふっ)と言って笑った。

ジョンソンは手でサヨナラしながら透明になっていく

ジョンソン

(じゃあな、バルボワ·····先にいってるよ·····)

と言って、ジョンソンは死後の世界へと旅立っていった。

バルボワは言う。

(レイジエルさん、ジョンソンさんの呪いも解けまし

た、無事、霊界へと行かれましたよ······)

すると、レイジエルは(よかった、本当によかった)

と言った。

そのあと、バルボワとレイジエルは夜食を食べながら

話していた。

レイジエルは話を終えるとバルボワを部屋へ案内する。

レイジエル

(バルボワさん、今日はこの部屋を使ってください)

バルボワ

(ありがとう、レイジエルさん、助かります······)

レイジエル

(では私はこれで······)

と言ってレイジエルは去っていった。

バルボワはうえの服を脱いでベッドに横たわった。

そこまま深い眠りがおそい寝てしまった。

次の朝6時、セントクリステイン病院の各部屋に朝の

起床を告げるマイクの音が鳴り響いた。

バルボワもその音で目覚めた。

寝ぼけながら辺りを見回すと、もう陽光が窓から差し込んでいた。

バルボワは起きてトイレに言ってから部屋の中にある冷蔵庫を開けた。

なかには3本のコカ・コーラがあった。

バルボワは一本取るとふたを開けて飲んだ。

ベッドの前にあるテレビをつけてニュースを見る。

数十分もするとドアをコン、コンと叩く音がして、

笑顔でレイジエルが朝御飯を持って来てくれた。

レイジエル

(おはようございますバルボワさん、食事ですよ)

と言って部屋の中にあるテーブルに置く。

バルボワはあくびをしながら(ありがとう)と返した。

朝御飯はパンが4つと玉子のスープ、牛乳であった。

そして、たばここ灰皿を持って来てくれた。

バルボワは(おっー)と言いながら笑って脱いだ服からたばこを取り出して吸った。

レイジエルは(窓を開けますね)と言って、ガラスを開ける。

新鮮で冷たい空気が入ってきた。

レイジエルは言う。

(バルボワさん、サリーさんの意識が回復しました)

と言って笑った。

バルボワはたばこを吹かせながらヌマのことを思った。

ヌマに命を助けられなければサリーにジョンソンの言葉を伝える事は出来なかったであろう。

悲しみがきたが、顔には出さずに笑って言う。

(そうですか、良かった、後で会うことはできますか)

レイジエルは(はいっ、大丈夫ですよ)と言う。

バルボワは安心して朝御飯を食べはじめた。

レイジエルは(では、私は仕事がありますので)

と言って去っていった。



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