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武君に打たれる薬が、心地よくなる。
次第に私は、武君以外の男の慰みモノになるようになった。
そして、薬を注射され、私は快楽の渦に入っていく……
お小遣いも貰えた。
結構な収入になった。
それで、理香と由香にご飯を食べさすことも出来た。
だけど、私は、そんなことより薬が欲しくて欲しくて堪らなくなった。
そして、好きじゃなかった武君のことが気になって気になって仕方がない。
薬のせいだとわかっていた。
だけど、頭でわかっていても心ではどうすることもできない。
「なぁ……
そろそろ俺たち一緒に住まないか?」
武君の甘い一言。
私の心がぐらっと揺れる。
「そして、一緒に暮らそう」
私は、頷いてしまった。
私は、武君を自宅マンションに連れてきた。
理香は、眠っている。
そして、由香も眠っている。
眠っている由香の方を見て、武君は笑う。
「この子が、俺の子……?」
「そうよ……」
「俺に全然似てないな……」
「そう?
眼なんて武君にそっくりよ……」
私は、切ない声で言った。
でも、内心は『似ないで欲しい』そう思っていた。