19
気付いたときには、私は眠っていた。
目が覚めると世界は暗かった。
夜が来たんだ。
不安になる。
不安で不安で怖くなる。
私が、泣こうとするとパパが私の頭を撫でてくれた。
「大丈夫だぞ。
パパが、傍にいるから……」
その言葉だけで安心した。
その言葉だけで私は救われた気がした。
だから、その後に「おやすみ」とパパに言われて、すぐに眠りに就く事が出来た。
そんな毎日が続く。
ママのお腹がだんだん大きくなっていく……
「ママ、お腹が大きいよ?
病気なの?」
「違うよ……
これは、赤ちゃんがいるの」
「赤ちゃん?」
「そう、お腹の中に赤ちゃんがいるの。
理香もこうやって生まれてきたのよ……?」
ママは、優しく私の頭を撫でた。
「私もママから生まれてきたの……?」
「そうよ。
だって、私は、理香のママなのだから……
理香、ママのお腹に耳を当てて御覧」
私は、言われるがままにママのお腹に耳を当てた。