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 優は嬉しそうに笑う。
 腕を吹き飛ばされた少年は、涙目で優の方を見ている。

「痛い……痛い……痛い!」

 ただ少年は怯えることすらできなかった。
 他の少年少女たちもなにが起きたのかわからない。

「ねぇ、君たちはどうして僕をイジメるの?」

 優の言葉に少年少女たちは、ただ怯えるだけ。
 逃げようとひとりの少女が走った。
 それに続けとばかりに他の少年少女たちも同じ方向に逃げた。

「よいしょ」

 優は自分の足元を爆発させ少年少女たちの前まで飛んだ。

「な、なんなんだよ?
 お前は……!?」

 ひとりの少年がそう言った。

「そんなことより僕の質問に答えてよ」

 優が小さく笑う。

「そんなのわかんないよ!」

 少女がそう言った。

「『わかんない』かー
 でも、僕にはわかるよ?
 君たちは僕が弱いからイジメていたんでしょ?
 現に僕が力に目覚めたら……
 案の定、逃げる……
 僕に力がなかったからイジメていたんだ。
 だから、僕は復讐する。
 君たちとこの世界に!」

 優は、ひとりの少年の肩に手を触れる。

「なにするんだよ!」

 少年は恐怖を押え優の体を押した。

「僕は、力を得たんだよ?
 選ばれたんだ……」

「お前なんかに負けてたまるかよ!」

 少年たちが一斉に優を殴ろうとした。

「どかん!」

 優のその言葉とともに少年の肩が爆発した。

「あ……ああ……」

 少女のひとりがその場で腰を抜かした。

「僕はね、力を得たんだ」

 優はそう言って倒れた少女の頭をポンポンと叩いた。
 そして、少女の唇にキスをした。

「い、いや……」

 少女は首を横に振り涙を流す。

「僕の能力はね、触れたところを爆発させる力なんだ」

 その言葉を聞いた少女は、涙がボロボロと溢れる。

「こ、殺さないで……!?
 なんでもするから!
 殺さないで!」

 少女が、優に頼んだ。

「君さ……
 僕が助けを求めているときなんて答えた?」

「……謝るから許して!?
 おねがい!なんでもするか――」

 少女のその言葉を最後まで言うことなく顔が爆発した。

「殺さないよ。
 火傷程度に留めていた。
 君たちは一生、ハンデを背負って生きるんだ」

 優は、そう言ってその場にいた少年少女たちの体に触れていった。
 そして、爆発した。

「はは……ははは!
 あははははははははは!」

 優は楽しくて楽しくてたまらなかった。
 力を得た自分。
 力に目覚めた自分。
 そして、絶対的な可能性。
 自分は、この力ですべてを手に入れる。
 金も女も、今の自分にならすべてが手に入る。
 そんな気がしたから……

 優は、そのまま走った。
 爆発の力に目覚めた優は、周りにいた通行人などを破壊しながら走った。

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