02
「わかった。
オトネ、一緒に旅に出よう」
セロは、そう言ってオトネの前に手を出した。
するとオトネは、セロと握手した。
「はい。
風呂場までお供しますのです!」
するとセロは、迷いながら言った。
「いや、そうじゃなく。
荷物を持とうかなと……
重いでしょ?」
セロが、そう言ってオトネの荷物に手を当てた。
するとその荷物は圧縮されたかのように小さくなった。
大きさは親指大ほどの大きさである。
「さっすが!ご主人さま!
女の子の高感度をあげるのが上手ですね!
ご主人さま素敵です!
もう、ハグからキスまで差し上げちゃいたいくらいです!」
テンションがやたらと高いオトネ。
そして、テンションが低いセロ。
正反対の性格のふたりは、宛もなく歩き始める。
そして、一番最初に思い出の公園に向かった。
公園は時間が立っているのにもかかわらず、錆びれてなかった。
子どもたちは、元気に走りまわり。
笑顔、笑顔、笑顔。
そして、ほんの少しの涙。
セロの存在に気づいた子どもたちは、セロとオトネの周りに集まった。
「お兄ちゃん!
今日から冒険するの?」
話しかけてきたのは、探検が大好きな女の子の歩だった。
「うん。
そうだよ。
今日でみんなと暫くはお別れだね」
セロの言葉にぽっちゃりした男の子の源太が近づいてくる。
「ちょっと遊んでけよー」
するとちょっと小生意気でクールな男の子、充が言った。
「ダメですよ。
セロさんは、これから冒険に出かける予定なんですから。
きっと世界を救うヒーローになってくれますよ!
セロさんには、その実力がありますからね!」
充が自慢げに言った。
するとオッドアイが特徴的な男の子、隼人が言葉を放つ。
「……そうだね。
僕たちがセロさんの未来を左右しちゃいけないよね」
その一歩後ろに立ってうなづいているのが愛という名前の女の子。
愛はいつも何かに怯えて、いつも隼人の後ろに立っている。
「相変わらず仲良しですますね!」
オトネが、隼人と愛のふたりの頭を撫でる。
愛の表情が和らぐ……
愛はオトネの暖かい雰囲気がなんとなく好きだった。
「ですますの姉ちゃんも行くのか?」
元太の言葉にオトネは、ニッコリと微笑んだ。