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 その子は、涙を流すことしかできなかった。

 何もない空。
 何もない雲。
 何もない天井。

 全てが、どうでもよくなった。
 僕は、何をしているのだろう?

 さっきまで、生きていた大好きな人はもういない。
 死んだんだ。
 動かない。
 その人の声も届かない。
 ただ切なさとむなしさが少年の心を揺さぶっていた。

「えーん」

 その子は、泣いている。
 大好きな人が死んで、その子は一人ぼっちになった。
 誰も、その子の事を受け入れようとしなかった。

 葬儀中、その子は泣かなかった。

  強く生きる。

 そう約束をしたから……

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