私が寝ていた理由
正直信じられなかった。
10年間寝ていた?
「ほ、本当に10年経過してるの?」
「はい、間違いなくです。」
「な、なんで10年も寝てたのっ!?」
「お嬢様、覚えていらっしゃいませんか? 10年前の卒業パーティーの出来事を。」
10年前?
卒業パーティー?
そのキーワードで私の脳内にある光景が浮かび上がってきた。
確か、私は学校の卒業記念のパーティーに参加していたんだ。
そこで私は・・・・・・
「『バラヌ』王子にいきなり婚約破棄を突きつけられたんだった・・・・・・。」
私には『バラヌ・ボラーヌ』という婚約者がいる。
『ボラーヌ王国』の王子で将来の王となる方です。
性格は正直に言うと所謂『俺様タイプ』で自分が正しい、と信じきっている方です。
国王も手を焼いていたみたいで『早目に手を打っておこう』と我が家に縁談を申し込んできたのが私が幼い頃。 当然、私はバラヌ王子に振り回される訳です。
私が『相手をするのは嫌だ』と言っても親はせっかく王族との繋がりを簡単に手放す訳がありません。
そんな日々が続き私は半分人生を諦めていた時に行われたのが婚約破棄。
バラヌ王子の側にいたのはよりによって私の妹。
多分、『私が妹を苛めた』とか言っていたとか思うんだけど覚えてない。
もう、今まで築きあげた物がガラガラッと音をたてて崩れていくのを感じて、怒鳴りたいやら泣きたいやらの感情がグチャグチャになってしまって私は意識を無くし倒れたらしい。