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私に秘められていた力

「それで・・・・・・、私はどうなったの?」
「そのまま地下牢に暫く入れられてしまいました。」
 地下牢っ!?
 その場に倒れたのであれば普通は病院とかに担ぎ込まれるよねっ!?
「『すぐに目覚めるだろう』と判断された様で・・・・・・。」
「その判断をした奴を連れてきて頂戴。1発殴り飛ばしてやりたいわ。」
「落ち着いて下さい、お嬢様。ところが何日経っても目を覚まさない事におかしい事に気付いた王子が医者やら魔導士やらを呼んでお嬢様を見せたそうなんです。そこで魔導士の鑑定からお嬢様の体内には壮大な魔力が秘められており、お嬢様は『歴史に名を残す大魔導士の生まれ変わり』である事が判明したんです。」
 ・・・・・・はい?
「そんな話、初耳なんだけどっ!?」
「えぇ、私も周りも驚きました。お嬢様が目覚めないのはその魔力が原因ではないか、と。お嬢様が目覚めた時、王子含めたお嬢様を嵌めた面々はそれなりの断罪をされるだろう、と魔導士はおっしゃいました。」
 魔導士様は脅しすぎでは無いかしら?
 まぁ、ぶん殴ってやりたい気分はあるけれども。
「それで私は地下牢から出てミッシェルの家に来たのね?」
「えぇ、その間にも色々あるんですが。」
「うん、とりあえず整理したいから徐々に話してね。とりあえず実家には連絡しないといけないわね。」
「・・・・・・その必要は無いか、と。」
「なんで? 歳はとったけどお父様やお母様は健在でしょう?」
「いえ、実は・・・・・・、誠に言いにくい事なんですが・・・・・・、パトリウス家は滅びました。」
「はぁ・・・・・・?」
 私は思わず間抜けな声を出してしまった。  

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