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「私もあるんだけどなぁー」
シンフォニアが口を尖らせる。
「あー。声は聞き覚えある」
カリュドーンがそういって誤魔化そうとする。
「もう、そんなこと言ってももう遅いですよー」
シンフォニアが口を尖らせる。
「……ここは学校の通学路なのかしら?」
バビロンがそういって水杯を逆さまにして複数の水龍を召喚する。
そして、水龍たちはカリュドーンたちに襲いかかろうとしたが、その場で弾けた。
「あー、13」
するとライフルを構えた13のドール、フェアリー・キャッツが立っていた。
「えー!その人の名前は覚えているんですかー?」
シンフォニアが驚く。
「うん、13は13で13だからね」
「わからないが、協力者……ってことでいいのか?」
六騎がティコに尋ねる。
「そうみたいね。
あの子は、殺し屋13。
そこそこ有名な人よ」
「有名?俺は知らんぞ?」
六騎がそういうと13が溜息をついた。
「まぁ、有名な殺し屋って謎だね。
殺し屋は隠れているのに有名になったら商売上がったりだよ」
「懸賞金がない殺し屋。
正義の殺し屋。
などの通り名がありますよっと」
シンフォニアがそういうと槍を水龍に向けて投げる。
水龍一匹を貫くとそこから稲妻が発生し水龍たちをあっというまに破壊した。
「わー凄いね」
13が拍手を送った。
「こう見えて私は、そこそこ強いんですよー?」
シンフォニアがえっへんと胸を張る。
「でも、バビロンさん逃しちゃったね」
13がそういうと六騎がため息混じりに言葉を放つ。
「逃してしまったか。
仕方がないな……」
六騎は、そういうとカリュドーンの方を見る。
六騎だけじゃない。
ティコもカリュドーンの方を見ていた。
「ん?」
「カリュドーンの猪について話が聞きたいの」
ティコがそういうと六騎も頷いた。
「あー。あれは僕の偽物だね。
僕の炎と性質が違うもん」
「それは見ればわかる」
六騎が静かにそう言葉を放った。