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「でも、強くなりたいんだ」
焔が息を吐くように言った。
「わかった。
手配しよう」
道長がそういった。
「え?」
「強くなるには経験値を稼ぐのが早い。
俺の部下の艦に行くといい」
「アンタ。誰だ?」
焔がそういうと道長が笑う。
「国際連合軍COKEの将校!道 道長だ」
道長が胸を張る。
「あれ……
その名前どっかで聞いたことある」
「そうだろうな」
森夜が笑う。
「差し詰め一番勢力がある艦は、パンドラ艦だな」
「え?」
焔が驚く。
「どうしたんだ?」
森夜が首を傾げる。
「俺、パンドラ艦に保護されていたんだ」
「そうか。既に知り合いだったか」
森夜が小さく笑う。
「ああ……」
「話はつけておく。
そこで経験を積むといい。
では、森夜殿。あの件よろしくな」
道長がそういうと部屋を出た。
「あの件?」
「ビジネスの話だ。
焔が気にすることではない」
「そうか……」
焔はそれ以上のことは聞かないことにした。