詩
心に穴が空いた。
りんごを入れてみた。
りんごは穴から落ちた。
穴に落ちて知らない誰かに食べられた。
心に穴が空いた。
お金を入れてみた。
お金の音がした。
お金は知らない誰かに拾われた。
心に穴が空いた。
人を落としてみた。
ドスンと音がした。
人は舌打ちを打ったあとその場を去った。
心に穴が空いた。
心に穴が空いた。
心に穴が空いた。
何を入れても埋まらない穴。
心に穴が空いた。
落ちたものは戻らない。
落ちたものは手に入らない。
落ちたものは逃げていく。
心に穴が空いた。
穴が空いて消えていく。
去ったものは戻ってこない。
ただ消え去るのみ。
消えたモノは沈んでいく。
ただ……ただ……沈んでいく。
ただひとりぼっち。
ひとりぼっちの心は静かに消える。
さよならの言葉を残して……
お腹が空いたらなにを食べる?
心もお腹もからっぽ。
なんだろう?
満たされない。
空いた心には何も埋まらない。
からっぽ。
ずっとからっぽ。
誰の心にも入れない。
誰も心に入ってくれない。
さみ しさは、孤独の前触れ。
僕は孤独を知らない。
何故なら最初からひとりだったから……
ひとりは僕。
僕はひとり。
僕はひとり。
ただのバケモノ。
だけど傷つけることが出来ない。
なぜならバケモノになりたくないから……
いつものこと
いつものこと
いつものこと