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 あいうが、目覚めたとき見知らぬ天井が目に映る。

「あれ?ここは……病院?
 さっきのは、夢だったのかな……?」

 あいうが、そうつぶやきベッドから降りる。
 すると、男が宙に浮いた椅子に座りながらこういった。

「おはようございます。
 あいうさん」

「あ……さっきの男の人?」

 すると男が自己紹介をした。

「はい、鰤谷ブリ男と申します。
 ご機嫌、麗しいですか?」

「あの……
 ここは、どこですか?」

 あいうが、不安げに尋ねる。

「ここは病院です。
 そして、貴方たちの世界で言うところのSFの世界ですね」

 ブリ男が、淡々と応える。

「SFの世界?」

 あいうが、首を傾げる。

「貴方の世界とは違うので、言ってしまえば異世界です。
 異世界で転生するのは、なにも無職や男だけとは限らないのですよ」

 ブリ男が、そう言ってニッコリと笑う。

「なに言っているのかわかんないや……」

「おや?無職転生を知りませんか?」

「知りません」

 ブリ男の質問にあいうは、即答する。

「そうですか……
 残念です」

 ブリ男は、ため息を付いた。

「あの……
 私は、どうなったのですか?」

「あの地球での貴方は、死にました」

「死んだ?そう言えば、さっき転生って言ってたよね?
 私は転生したのですか?」

 あいうは、そう尋ねるとブリ男はニッコリと笑う。

「はい、死にました。
 真っ黒焦げになって灰になっちゃいました」

「灰……?」

「まぁ、最初の一発のミサイルで死ねて貴方はしあわせですよ。
 あのあとの大阪だけでなく日本全土が大惨事でしたから……」

「……そうなんだ」

「そして、ここからが僕と貴方の契約の時間です」

「契約?」

 あいうが、首を傾げるとブリ男が笑う。

「そうです。
 僕と契約して魔法少女になってください」

「魔法少女?
 ってか、契約って何?」

 戸惑うあいうを見たブリ男は、ニッコリとした表情を保ちながら言った。

「僕は、鰤谷ブリ男。
 魔界の王子です。
 僕の仕事は、覚醒者に力を授け。
 この世界の悪しきモノを倒してもらうのが目的です」

 ブリ男は人差し指を上にあげて、そしてそのままあいうの方に指を向ける。

「へ……?」

「さぁ、契約の時間です」

 ブリ男の指が光る。
 するとあいうの体も光り輝いた。

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