17
「もう!!!!」
シエラの苛立ちの声は聞こえる。
しかし、今は姿すら見えない。
雷獣の数が多すぎる。
13は焦る。
「流石に数が多すぎる」
前も後ろも右も左も。
そして空も雷獣だらけ……
破壊しても破壊しても雷獣がいる。
「これガス欠したら死ぬんじゃないのか?」
焔の声が聞こえた気がした。
13が、その方向を見ても誰もいない。
雷獣しか見えない。
「ぐるぐるぐるぐる」
雷獣が唸る。
雷獣の目は、獲物を捉える目になっている。
雷獣にとってドールのエネルギーはご馳走だ。
ドールのエネルギーは、ほぼ無限。
エネルギーの消耗が激しい雷獣たちは大量のエネルギーを欲する。
雷獣が13に襲いかかる。
「もう!!!!」
シエラの声が大きく響き。
そして、地面が揺れる。
「地震?」
13が、周りを見る。
周りも揺れている。
「アースクエイク!!」」
シエラの声とともに地面が割れ雷獣たちの足を止める。
そして、雷獣の身体を土から現れた突起物で貫く。
1匹、2匹ならずその場にいた全ての雷獣を破壊した。
「今回のMVPは、シエラちゃんね」
一花がそういって笑った。