16
「うわぁ。
雷獣が滅茶いる」
焔が思わず言葉を漏らす。
「ああ。
これ全部処理しなきゃなのか」
バルドがため息まじりに言った。
「ぐるるるるる」
雷獣が唸る。
「来るぞ。
各機拡散!」
ジョーカーが、そういうのを合図にそれぞれは四方に分散した。
「んー
15機か」
13が、そういって自分を追ってくる雷獣の方を見る。
「ぐるぐるるるるるるるる」
雷獣が唸る。
そして、姿を消す。
そして一斉に13の背後にまわる。
「雷速だね。
早い。だけど!!」
13は、上空に向かってビームライフルを放つ。
放たれたビームライフルは分散し。
シャワーの如く降り注ぐ。
「ぐぎゃーーーーー」
雷獣たちの身体をそのシャワーが貫く。
そして絶命する。
「雷獣。
早くて攻撃力は高いけど……
耐久力がないのが弱点だね」
13は、そういってため息を付いた。
そして、周りを見る。
バルドは鉄球を振り回し雷獣を破壊していく。
焔は、尾から出されたビームで器用に雷獣を倒している。
ジョーカーは、トランプを投げ雷獣を倒す。
玉藻は、刀のような七本の尾を自在に操り雷獣を破壊する。
一花は、ショートソードから出した剣圧で間合いを取りながら倒す。
亜金は、プレゲトンの炎で雷獣を焼き尽くしていた。
サイアスも炎の翼で雷獣を焼き払う。
「みんなMAP攻撃の技を持っているんだね」
13が小さく笑う。
しかし、シエラがいないことに気づいた。
「あれ?シエラは?」
焔が周りを見渡す。
そこにシエラの姿はない。
「しまった!シエラの機体は空が飛べないんだった」
バルドが慌てて下降する。
「あ……ヤバイ。
雷獣の反応が下に大量にある。
アイツらは囮だったのか?」
ジョーカーが下降すると他のメンバーも下降した。
「あ……」
13は、下の光景を見て絶句した。
辺りが雷獣の群れで覆われていた。
その数、数百。
「流石にヤバイんじゃないか?」
ジョーカーが、カードを構える。
「もー!!!!」
シエラの怒鳴り声が響く。
雷獣がシエラのドールに体当りする。
しかし、シエラにはただの体当たりのようだった。
「そっか。
シエラのドールの属性は土だから……
雷の雷獣の攻撃はそんなに効かないのか」
焔が、ため息をつく。
「もう!!!」
シエラが、雷獣の身体を殴る。
雷獣の身体が吹き飛ばす。
「そして、効果は抜群か」
ジョーカーが、そういうとカードを降ろした。
「って言っている場合か?」
バルドが、雷獣に向かって鉄球をぶつける。
雷獣が1匹減る。
しかし、雷獣は増えるばかり。
「雷だから、雷を呼び雷獣は増えるばかりだね。
量産している発生装置を壊さないとこれ減らないよ?」
13は、そういってセンサーを起動させる。
しかし、相手は雷。
磁気によりセンサーを狂わせ起動を鈍らせる。
「思ったよりピンチじゃないのか?」
焔が、テールライフルにより雷獣を破壊する。
しかし、減らない……
増えるばかり。