15
「人じゃない?
どういうことだ?」
焔が尋ねる。
「言ったでしょ?
私は武器なの」
「そうなのか?
どう見てもロリでボインな姉ちゃんだよ?」
焔の言葉にプレゲトンが笑う。
「褒め言葉として受け取るわ。
でも、女の子にロリって言わないほうがいいわよ?」
「あ。ああ」
焔が小さくうなずいた。
「……じゃ、そういうことでよろしく!」
プレゲトンがニッコリと笑った。
「一花……」
幼い顔をした黒髪の少女が現れる。
「タナトス?どうしたの?」
少女の名前はタナトス。
彼女もまた伝説の三剣のひとりだ。
死を司る少女だ。
「テオスの兵器がすぐそこにきた」
「え?」
一花が驚く。
「どの辺にいるんだ?」
ジョーカーが尋ねる。
「上……」
「うえ?」
焔が上を見る。
轟音とともに雷のような獣が現れる。
「雷獣!!」
一花がその獣に銃を向ける。
「グルル」
獣は唸り声をあげて一花に襲いかかる。
それを亜金が大剣で跳ね除ける。
「プレゲトンさん!あの獣はなに?」
亜金が、その大剣に尋ねる。
大剣は答える。
「あれは、雷獣。
雷で出来た生命体よ」
「……雷?」
「そう、雷でなんでも焦がす凶悪な生き物よ」
一花が、銃を放つ。
しかし、雷獣には効果がないようだった。
「雷獣に銃は効かないぞ!」
バルドが、鉄球を召喚する。
「タナトス!」
「はい!」
タナトスは自身の身体を美しく白いショートソードへと変えた。
そして、そのショートソードを一花は受け取り雷獣の首を斬り跳ねた。
「ぐ……」
雷獣は、絶命した。
「一匹だけ?」
一花がタナトスに尋ねる。
「テオスの兵器は、遙か上空にて待機中です。
さっきのは偵察みたい……」
「みなさん、各自ドールに搭乗して対応してください」
一花がそういうと各自ドールを召喚し搭乗した。
そして、空を舞う。
するとそこには大きな雷獣が群れをなして存在していた。