06
するとジルとベラの身体の火傷が癒えていく……
「なんだ?魔法か?」
ジャキが、驚く。
「そうだね。
魔法だよ。
今すぐここを去って」
「すまない」
ジャキは、涙を拭いふたりを自分のドールの中に入れるとそのまま発進させた。
「……亜金?」
玉藻の声に13は、振り向く。
「どうしたの?」
「行かなくちゃ」
亜金がつぶやく。
「どこに行くんだ?」
玉藻の声に涙が混じる。
「天使の帰るところ……」
「なにを言って――」
亜金が、ドールを発進させた。
「さようなら。
名前も知らない人」
亜金は、そういってその場から離れた。
玉藻は追いかける。
しかし、亜金のドールのスピードに追いつけない。
13も追いかけたが追いつけない。
「機動型でフェアリー……
移動力なら負けてしまうか」
13は、そういってドールを止めた。
玉藻もドールを止めその場で泣き崩れた。
「そこのふたり。
見かけないドールだが所属はどこだ?」
白い騎士のようなドールがふたりの前に現れる。
「君は……?」
13が、そのドールに尋ねる。
「僕の名はサイアス・サウスバード。
所属はスタンレイだ」
「聞いたことのある名前……」
13は、そういうとなにかを思い出そうとする。
「君たちはなにものだ?」
「あー、僕の名前は13だよ。
所属はない」
「無所属のドール……
傭兵かい?」
「まぁ、そんなところかな」
「で、そちらのお嬢さんは?
先程消えたドールとの関係は?」
「この子の名前は、玉藻さん。
枚方エレメント学園の生徒だよ」
「……学園の生き残りか?」
「うん。
さっき逃げたのは亜金くん。
その子も枚方エレメント学園の生徒」
「そうか」
サイアスが、顎に手を当て考える。
「うん」
13は、その場所から離れようと思った。
しかし、自分も情報が欲しかった。
「とりあえず。
この状況の情報が欲しい。
スタンレイの戦艦に来てくれるかい?」
「僕も情報が欲しい。
あの光の正体とかね……」
13は、先程マスターにチャントを送っている。
しかし、ノイズが混じって通信ができない。
そのため、このサイアスから情報を集めるしかないと思った。