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 ――モスマン王国

「ええい!怯むな!
 踏ん張るんだ!ここを守り抜かねば市民が犠牲になる!」

 モスマン王がそういってモンスターを殴り飛ばす。

「でも、兄さま。
 モンスターの数が多すぎる」

 イリアがそういって泣きそうになる。

「むむむむ。
 これまでか……」

 モスマン王が覚悟を決めたその時。

「きゃははっははは!
 いるいるいるいる!雑魚!雑魚!雑魚!雑魚!」

 クレイジー・クレイジーが嬉しそうにモスマン兵を釘を飛ばし撃ち抜く。

「クレイジ・クレイジー!
 こんなときに」

 イリアの絶望はまだ止まらない。

「僕もいるよ」

 白銀も現れる。

「白銀!やはり貴様は!」

「裏切りかい?違うよ。
 表返ったんだよ。
 僕ってそういうキャラだろう?」

 白銀が嬉しそうに笑う。

「私たちは、貴方たちに犠牲を求めない。
 降伏すれば命だけは――」

 いずみがそういってイリアとモスマンの方を見る。

「降伏?そんなことをすればモスマン兵はフィサフィーの玩具にされるのでしょ?
 そんなの私は許さない!」

 イリアがそういって短剣を構える。

「いずみさんも甘いですね。
 こんなの殺せばいいんですよ」

 白銀が手から糸を飛ばしイリアに向けて飛ばす。
 するとその糸を炎で燃え上がる。

「ハデスちゃん登場やでー」

 ハデスが、火炎放射器で白銀の糸を燃やした。

「ハデス!アンタはそっちがわなのね!」

 クレイジ・クレイジーがそういった瞬間、釘を打ち放つ。

「ウールガード」

 そういってひとりの少年が、クレイジ・クレイジーの釘を糸で絡めて落とす。

「糸を使う人なんていましたっけ?」

 白銀が首を傾げるとその少年が答える。

「僕の名前はトール。
 人形遣いのトールだよ」

 トールの目はまっすぐ。
 白銀の方を見ていた。

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