53
「ですますスイッチ!」
ボクが驚く。
ここで再びその名前を聞くとは思わなかったからだ。
「アイドル!?」
プレゲトンの目が輝く。
「プレさん知っているの?」
紅鮭が尋ねる。
「知ってるわ!
世界的に有名なアイドルよ?
紅鮭知らないの?」
「私、そういうのに疎くて」
「もったいない!」
プレゲトンが、きゃっきゃと騒ぐ。
「キサラギのヤツ、元気かな」
ジョーカーが呟く。
「キサラギ?」
一花が首を傾げる。
「ああ、ですますスイッチのマネージャーさ。
昔の酒の仲間さ」
ジョーカーが、そういってニッコリと笑う。
するとアザゼルのスマホが鳴る。
「む?到着したようじゃ。
迎えに行くぞ。
主ら、車に乗れ」
アザゼルがそう指示を出す。
「では、あっしはこれで……」
ピロシキがそういうとアザゼルがニッコリと微笑む。
「主も行くのじゃぞ?」
「え?」
「僕、ピロシキさんに少し聞きたいことある」
ボクの言葉でジョーカーがピロシキの肩に手を回す。
「ま、お前も来いや」
ジョーカーの目は少し尖っていた。