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紅鮭の車が来る。
「あれ、プレさん?」
「あ、紅鮭。
貴方ボクの担当者になったの?」
「うん、そうだよ」
「そっか。
アンタだったら安心ね」
プレゲトンが小さく笑う。
「プレさんは、亜金くんだっけ?
そばを離れていいの?」
「うん、昨日の夜は一花のところでメンタルチェック受けてたんだ。
そろそろ迎えに行かなくちゃなんだけどね」
プレゲトンが、そういうと紅鮭がいう。
「だったら車に乗る?」
「え?」
「私もボクさんと一緒に一花さんのところに行くんだ」
「そうなんだ」
「一緒に行こう?」
ボクがそういうとプレゲトンがうなずく。
「うん」
そして、ボクと紅鮭、プレゲトンの3人は一花の施設に向かった。
施設に着くとすぐに子どもたちが駆け寄ってくる。
「あー、紅鮭だ!」
そして子どもたちの視線がボクの方に向けられる。
「紅鮭が男連れてきた!!」
「結婚?結婚するの?」
子どもたちが騒ぐ。
「え?」
ボクは、突然投げかけられた言葉に戸惑う。
そして、子どもたちがさらに騒ぐ。
「キスはしたの?」
子どもお言葉にボクは顔を真赤にさせる。
「え?したの?」
プレゲトンも驚く。
「うわーえっちだ!」
子どもたちが嬉しそうに騒ぐ。
「えっち!えっち!えっち!」
その騒ぎを聞いた一花が駆け寄る。
「貴方たち朝からなに騒いでいるの?」
そして、紅鮭の方を見る。
「一姉、お久しぶり」
紅鮭が少し照れ笑いを浮かべる。
「紅鮭お久しぶり」
ふたりの間に子ども足りが入る。
「紅鮭ね、この男の人とえっちなことしたんだよー」
「えー」
ボクが戸惑う。
「えっち?」
一花が、ボクの方を目を細くしてみる。
「キスしたんだって!」
子どもがそういうと一花が、小さく笑う。
顔は笑っているが目が怒っていた。
「無理やり……じゃないわよね?」
「眠れないっていうからキスしました」
紅鮭がそういうと一花の表情が和らぐ。
「え?貴方からしたの?」
「はい」
「……そっか」
一花の表情が一気に優しくなる。
「えっと、今日は挨拶に来まいた」
ボクがそういうと一花がいう。
「立ち話もあれだし中に入って。
プレさんも亜金も待っているよ?
あとタナトスも会いたがってたよ」
「うん、そっか。
タナトスも待っていてくれたんだ」
「なんかマクベスパフェを奢る約束をしてたんだって?
なかなか奢ってくれないってボヤいていたよ」
「う……覚えているんだ。
護るわよ」
プレゲトンがそういって小さく舌打ちをした。