バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

48

 紅鮭の車が来る。

「あれ、プレさん?」

「あ、紅鮭。
 貴方ボクの担当者になったの?」

「うん、そうだよ」

「そっか。
 アンタだったら安心ね」

 プレゲトンが小さく笑う。

「プレさんは、亜金くんだっけ?
 そばを離れていいの?」

「うん、昨日の夜は一花のところでメンタルチェック受けてたんだ。
 そろそろ迎えに行かなくちゃなんだけどね」

 プレゲトンが、そういうと紅鮭がいう。

「だったら車に乗る?」

「え?」

「私もボクさんと一緒に一花さんのところに行くんだ」

「そうなんだ」

「一緒に行こう?」

 ボクがそういうとプレゲトンがうなずく。

「うん」

 そして、ボクと紅鮭、プレゲトンの3人は一花の施設に向かった。





 施設に着くとすぐに子どもたちが駆け寄ってくる。

「あー、紅鮭だ!」

 そして子どもたちの視線がボクの方に向けられる。

「紅鮭が男連れてきた!!」

「結婚?結婚するの?」

 子どもたちが騒ぐ。

「え?」

 ボクは、突然投げかけられた言葉に戸惑う。
 そして、子どもたちがさらに騒ぐ。

「キスはしたの?」

 子どもお言葉にボクは顔を真赤にさせる。

「え?したの?」

 プレゲトンも驚く。

「うわーえっちだ!」

 子どもたちが嬉しそうに騒ぐ。

「えっち!えっち!えっち!」

 その騒ぎを聞いた一花が駆け寄る。

「貴方たち朝からなに騒いでいるの?」

 そして、紅鮭の方を見る。

「一姉、お久しぶり」

 紅鮭が少し照れ笑いを浮かべる。

「紅鮭お久しぶり」

 ふたりの間に子ども足りが入る。

「紅鮭ね、この男の人とえっちなことしたんだよー」

「えー」

 ボクが戸惑う。

「えっち?」

 一花が、ボクの方を目を細くしてみる。

「キスしたんだって!」

 子どもがそういうと一花が、小さく笑う。
 顔は笑っているが目が怒っていた。

「無理やり……じゃないわよね?」

「眠れないっていうからキスしました」

 紅鮭がそういうと一花の表情が和らぐ。

「え?貴方からしたの?」

「はい」

「……そっか」

 一花の表情が一気に優しくなる。

「えっと、今日は挨拶に来まいた」

 ボクがそういうと一花がいう。

「立ち話もあれだし中に入って。
 プレさんも亜金も待っているよ?
 あとタナトスも会いたがってたよ」

「うん、そっか。
 タナトスも待っていてくれたんだ」

「なんかマクベスパフェを奢る約束をしてたんだって?
 なかなか奢ってくれないってボヤいていたよ」

「う……覚えているんだ。
 護るわよ」

 プレゲトンがそういって小さく舌打ちをした。

しおり