バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

12

 はるかさんは、強引に僕にチョコを渡した。

「なによ!
 私のチョコじゃ不満?」

「不満じゃないけど……」

「じゃ、私と付き合いなさい!」

 はるかさんは、目に涙を浮かべていた。

「うん」

 迷うことはない。

「え?」

 驚くはるかさんに僕は、言葉を放つ。

「うん。
 僕、はるかさんと付き合いたい」

「え?私なんかでいいの?」

 はるかさんが、動揺している。

「えー
 自分から告白しておいて……」

「だって、だって、だって私だよ?
 口は悪いし、胸だってないし、雑だし、料理も下手だし……
 それにかわいくない」

 はるかさんが、涙をボロボロとこぼす。

「そんなことないよ。
 はるかさんは、綺麗だよ」

 僕が、そう言うとはるかさんは僕の胸の中に飛び込んだ。

「うそつき」

 そして、僕の胸の中で小さくうずくまった。

しおり